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2008 年度 実績報告書

表面プラズモンを利用した電場不均一媒質の作製と光拡散現象の制御

研究課題

研究課題/領域番号 20760451
研究機関京都大学

研究代表者

村井 俊介  京都大学, 工学研究科, 助教 (20378805)

キーワードセラミックス / 材料加工・処理 / 無機工業化学 / ランダム媒質 / 表面プラズモン
研究概要

平成20年度の研究においては金属微粒子として可視短波長領域にプラズマ振動数がある銀微粒子を用い、金属微粒子分散型散乱媒質を作製した。媒質内にレーザー色素あるいは光化学反応分子を導入しランダムレーザー発振、光記録効果の測定をおこない、系内での光の振る舞いについて考察した。
1. ランダムレーザー現象は、多重散乱により媒質中に閉じ込められた光が増幅されてレーザー発振に至る現象である。したがって系内に効率の高い発光物質を導入する必要がある。本研究ではこの条件を満たす物質としてrhodamine6G色素(R6G)を使用した。液相還元法により銀微粒子を作製した。還元条件および共存する高分子の量を適切に制御することで銀微粒子の形状およびサイズを制御することに成功した。
作製した銀微粒子をR6Gをドープした高分子フィルムに担持し、532nmのパルスレーザー光で励起することでランダムレーザー発振を確認した。レーザー発振は散乱媒質として酸化物の中で最も散乱強度が高いチタニア微粒子を担持させた場合に比べ低閾値で起こり、ランダムレーザー媒質としての銀微粒子の優位性が明らかとなった。
2. 光記録効果に関して、1の実験で用いた銀微粒子を用い、光化学反応分子としてスピロピランをドープした高分子フィルムに担持した。光記録効果測定をおこなったところ、チタニアを使用した場合の100分の1の数密度で同等の散乱強度を示すことがわかり、光記録媒質としての銀微粒子の優位性が明らかとなった。
これらの結果は原著論文2報、国際学会発表1報、国内学会発表5報にまとめた。
以上より、今年度は当初の目標どおりの結果を得ることができた。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Scattering-based hole burning through volume speckles in a random medium with tunable diffusion constant2008

    • 著者名/発表者名
      Shunsuke Murai, Koji Fujita, Takayuki Hirao, Kazuki Nakanishi, Kazuyuki Hirao, Katsuhisa Tanaka
    • 雑誌名

      Applied Physics Letters 93

      ページ: 151912-1-3

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Temperature tunable light diffusion in a macroporous, random medium infiltrated with liquid crystal2008

    • 著者名/発表者名
      Shunsuke Murai, Koji Fujita, Katsuhisa Tanaka
    • 雑誌名

      Physics and Chemistry of Glasses - European Journal of Glass Science and Technology Part B 49

      ページ: 301-304

    • 査読あり
  • [学会発表] 銀ナノ粒子を分散させた光散乱媒質における空間選択的な光化学反応2009

    • 著者名/発表者名
      藤本裕・村井俊介・藤田晃司・田中勝久
    • 学会等名
      第47回セラミックス基礎科学討論会
    • 発表場所
      グランキューブ大阪(大阪国際会議場)
    • 年月日
      2009-01-08
  • [学会発表] シリカ多孔体に有機色素溶液を浸透させた弱散乱体からのランダムレーザー発振2008

    • 著者名/発表者名
      真野匡史・村井俊介・藤田晃司・田中勝久
    • 学会等名
      日本学術会議材料工学連合講演会
    • 発表場所
      京大会館
    • 年月日
      2008-10-22
  • [学会発表] 銀ナノ微粒子を分散させた光散乱媒質中におけるスピロピランの空間選択的な光化学反応光化学討論会2008

    • 著者名/発表者名
      村井俊介・堀池進矢・藤本裕・藤田晃司・田中勝久
    • 学会等名
      光化学討論会
    • 発表場所
      光化学討論会
    • 年月日
      2008-09-11
  • [学会発表] シリカ多孔体に有機色素溶液を浸透させた弱散乱体からのランダムレーザー発振2008

    • 著者名/発表者名
      真野匡史・村井俊介・藤田晃司・田中勝久
    • 学会等名
      第69回応用物理学会学術講演会
    • 発表場所
      京大会館
    • 年月日
      2008-09-03
  • [学会発表] In situ synthesized polymer films embedded with superfine silver nanoparticles towards applications in random lasers with coherent feedback2008

    • 著者名/発表者名
      Xiangeng Meng, Koji Fujita, Yanhua Zong, Shunsuke Murai, and Katsuhisa Tanaka
    • 学会等名
      Third International Conference on Optical, Optoelectronic and Photonic Materials and Applications
    • 発表場所
      Edmonton, Alberta, Canada
    • 年月日
      2008-07-21
  • [学会発表] 熱ポーリングによるテルライトガラス表面への銀微粒子析出2008

    • 著者名/発表者名
      服部良祐・村井俊介・藤田晃司・田中勝久
    • 学会等名
      第128回セラミック材料部門委員会
    • 発表場所
      京都工芸繊維大学
    • 年月日
      2008-07-14
  • [備考]

    • URL

      http://diole7.kuic.kvoto-u.ac.jp/contents/publication.html

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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