研究概要 |
Zintl相の一つであるリチウム・マグネシウム硼炭化物(Li,Mg)BCの物性を、第一原理計算を用いて定量的に予測し、リチウムイオン電池負極活物質としての可能性を評価した。系統的な第一原理計算とそれに基づくクラスター展開法、統計力学モンテカルロシミュレーションを実施した結果、MgB_2C_2-LiMgB_3C_3では0.79V、LiMgB_3C_3-LiBCでは0.74Vのリチウム挿入電位が予測され、リチウムイオン電池負極材料として望ましい電位を持つことが示唆された。また、速度論的な観点から評価するために、原子ジャンプのポテンシャル障壁をNEB法により評価したところ、(Li,Mg)BCではLiおよびMgの両元素の相互拡散が必要であり、これが速度論的に短所であることが明らかとなった。
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