本研究の目的は、『ラマン分光を用いた金属・樹脂の異種溶着のメカニズムの解明』である。可視あるいは近赤外レーザー照射による金属・樹脂溶着技術は、ここ数年で研究開発された革新的技術の1つである。しかしながら、その溶着メカニズムには未知な部分が多く残されている。我々は、計測環境の立上や溶着可能な樹脂・金属におけるレーザー条件出しを行い、その測定系を用いて異種溶着サンプル(金属:ステンレス、樹脂:アクリル)の溶着部、非照射部におけるラマンスペクトルを取得した。しかしながら、溶着部、非照射部のスペクトルに違いはなかった。そこで、より正確なスペクトルを得るために、今後、フィルターの最適化、高感度の赤外カメラとの融合に取組み、本研究を引き続き実施する計画である。
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