研究概要 |
化学反応は複数の素反応ステップから成り立っている。化学反応に高性能な触媒の開発には、各素反応に各自有効な触媒サイト、構造を同時に一つの触媒に集積しなければいけない。コアーシェル構造の実現により、空間撰択性、フィルタ効果、空間局限効果、連続反応空間などを実現し、複数の反応あるいは素反応を一括完結する。多孔質固体酸であるゼオライト膜A (ZSM-5)を共沈殿触媒Bペレット(Cu/-Zho/Al_2O_3)上へ水熱合成法などの方法で成膜し、A-Bコアーシェル構造の触媒を合成した。合成反応として、C1化学出発原料である分子サイズの小さいCO、水素、CO2などからスタートし、これらの分子はまず膜Aを貫通して、コアである触媒B表面および内部に到達する。触媒Bはメタノール合成触媒であり、ここではメタノールが生成する。メタノールがコアーシェル触媒から脱離していく過程では必ず100%膜Aのトンネルを通過しなければいけないので、トンネルの内壁の酸触媒作用を受け、メタノール分子間脱水反応によってジメチルエーテル(DME,CH30CH3)を選択的に生成できた。 コア触媒を被膜するゼオライト種類の影響(ゼオライト種類、酸点の種類、酸点の量と強度、コア触媒との結合能力など)を調べ,最もよいゼオライトの選択を行った。また、生成物の分布および拡散の特徴を調べるために、コア触媒を被膜するゼオライト膜厚の最適化を検討した。
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