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2009 年度 実績報告書

固体酸触媒を用いたデンプンの加水分解反応機構の解明とセルロース糖化への応用

研究課題

研究課題/領域番号 20760532
研究機関高知大学

研究代表者

恩田 歩武  高知大学, 教育研究部・自然科学系, 助教 (80335918)

キーワードセルロース / 触媒水熱反応 / 持続可能社会 / スルホン化活性炭 / 固体触媒 / グルコース / 糖化 / 多糖類
研究概要

セルロースは地球上で多量に生産されているが、多くが未利用なバイオマス資源である。セルロースの有効活用法の開発は、持続可能社会の構築に大きく貢献すると期待される。本研究課題では、セルロースの高効率糖化を固体触媒反応で達成することを目指している。本研究では、活性炭の表面官能基に着目した触媒調製法の確立と、セルロースの反応に対する反応条件の検討、および、セルロースの結晶性と反応性の関係を解明することを目的として研究を実施した。
触媒なしで水熱反応を行うと、目的生成物であるグルコースは180℃以上で過分解反応(脱水反応など)する。そのため本研究では、セルロース加水分解反応を180℃よりも低い120-180℃の水熱条件下で検討した。触媒としてスルホ基を有する固体に注目した。スルホ基は、水熱条件下のような高温条件で脱離しやすいが、前処理として200℃で水熱処理して熱分解しやすいスルホ基を除くことにより、グリコシド結合の加水分解に有効でかつスルホ基溶出のないスルホン化活性炭を得ることに成功した。それを触媒に用いたところ、150℃の触媒水熱反応により低結晶性セルロースからグルコースを選択的に高効率で得ることに成功した。また、スルホン化活性炭触媒が固体触媒としてセルロースの加水反応を促進していること、セルロースから高選択的にグルコースを生成できること、セルロースの構造が反応性に大きな影響を与えることを見いだした。さらに、スルホン化活性炭の調製方法により触媒特性が大きく異なることを明らかにした。また、様々な重合度のオリゴ糖の加水分解の研究より、スルホン化活性炭触媒では重合度が大きくなるほど反応速度が速くなることを見いだし、吸着過程が重要であると考察した。それらの結果を元に、スルホン化活性炭触媒の触媒設計を改良し、さらに優れた触媒開発に向けた具体的な指針を得た。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Hydrolysis of Cellulose Selectively into Glucose over Sulfonated Activated-Carbon Catalyst under Hydrothermal Conditions2009

    • 著者名/発表者名
      Ayumu Onda
    • 雑誌名

      Topics in Catalysis 52

      ページ: 801-807

    • 査読あり
  • [学会発表] 貴金属担持スルホン化活性炭触媒による糖類の変換反応2010

    • 著者名/発表者名
      恩田歩武
    • 学会等名
      第105回触媒討論会
    • 発表場所
      京都テルサ(京都府)
    • 年月日
      20100324-20100325
  • [学会発表] 触媒による多糖類バイオマスの分解反応2010

    • 著者名/発表者名
      恩田歩武
    • 学会等名
      宮古島バイオエタノールプロジェクト講演会
    • 発表場所
      下地農村環境改善センター(沖縄県)
    • 年月日
      2010-01-12
  • [学会発表] スルホン化活性炭触媒を用いた多糖類の加水分解反応2009

    • 著者名/発表者名
      恩田歩武
    • 学会等名
      第104回触媒討論会
    • 発表場所
      宮崎大学(宮崎県)
    • 年月日
      20090927-20090930

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2014-09-19  

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