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2008 年度 実績報告書

光応答性ガスキャリア液循環型酸素濃縮器の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20760542
研究機関早稲田大学

研究代表者

小堀 深  早稲田大学, 理工学術院, 講師 (70329093)

キーワード酸素濃縮 / バイオミメティクス / ポルフィリン錯体 / 慢性閉塞性肺疾患
研究概要

酸素濃縮器は空気中から酸素のみを分離・濃縮する装置で,主に慢性閉塞性肺疾患(Chronio Obstructive Pulmonary Disease ; COPD)の患者に対する在宅酸素療法の高濃度酸素の供給源に用いられる. しかし, 現存の酸素濃縮器では小型かつ低騒音で高濃度の酸素を供給できない. そこで, 本研究では新たに大気中の酸素をガスキャリア液へ吸入し, 気相中に放散することで酸素を濃縮するシステムを構築し, 安全かつ効率良い酸素濃縮システムの開発を目的とする.
今年度は, ガスキャリア液を構成する酸素運搬体として, 光に応答して酸素を吸収・放散する水溶性ポルフィリンCoTaqPPに着目した. CoTaqPPを合成し, 水に溶かして作製したガスキャリア液に光を照射し解離した酸素分圧から酸素移動濃縮率を, 二室回分セルを用いた放散系における総括物質移動係数から酸素移動性能を評価した. この両者を考慮し, 最も効率よく酸素を供給できる錯体濃度(最適濃度)を決定し, COPD患者が必要とする500mL/min(STP)の酸素を供給する酸素濃縮器の至適設計を行った.
解離酸素分圧は錯体濃度の上昇に伴い,より高い解離酸素分圧を得られた.総括物質移動係数は錯体濃度の上昇に伴い減少した.以上の結果と人工肺モジュールを用いた実験データから算出された最高効率濃度より,85%飽和をCoTaqPP-水系のガスキャリア液における最適濃度とした.最適濃度のガスキャリア液を用いて,COPD患者が必要とする酸素を供給する酸素濃縮器を至的設計した結果,68個のモジュールが必要であることが分かった。またこのとき,大気中から175mmHgまで酸素を濃縮できた。
以上より, CoTaqPP-水系のガスキャリア液を用いることで,安全かつ効率良い酸素濃縮システムが開発でき, 酸素濃縮装置の小型化・低騒音化の実現の可能性を示せた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 温度制御型人工鰓システムの開発と実測2008

    • 著者名/発表者名
      大西孝、小堀深、酒井清孝
    • 学会等名
      化学工学会第40回秋季大会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      2008-09-25
  • [学会発表] 水中溶存酸素を利用する人工えら装置の開発2008

    • 著者名/発表者名
      小堀深
    • 学会等名
      化学工学会新潟大会
    • 発表場所
      新潟大学
    • 年月日
      2008-08-21
  • [学会発表] 酸素濃縮器に用いる温度応答性ガスキャリア液の開発2008

    • 著者名/発表者名
      小堀深、宍戸圭介、酒井清孝
    • 学会等名
      第47回日本生体医工学会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      2008-05-09

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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