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2009 年度 実績報告書

耐久消費財の分離・解体におけるライフサイクルを考慮した最適化モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 20760571
研究機関東京大学

研究代表者

醍醐 市朗  東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任講師 (20396774)

キーワード易解体設計 / 環境対応 / 機械要素 / 廃棄物再資源化 / モデル化
研究概要

本研究では、マテリアルフロー分析における素材の分離・回収モデルを構築したとともに、昨年度開発した易解体設計評価ツールを比較的部品点数の多い製品においても適用可能なツールに改善し、改善されたツールを用い資源価格による最適解体手順の変化を分析した。分析にあたっては、携帯電話、電気ポット、アイロンをケースとして用いた。貴金属やレアメタルが含まれる携帯電話中の基板の価値の変化によって、最適解体手順が変化することが示され、ベースメタルの価格の変化は、これら小型の製品においては、最適解体手順を変化させるものではないことが分かった。
マテリアルフロー分析における素材の分離・回収モデルでは、磁性を有するフェライト系ステンレスが炭素鋼と分離されずに回収されていることに着目し、その合金成分であるCrのマテリアルフローの観点により炭素鋼中でのCr濃化シミュレーションを行い、素材サイクル全体でのリサイクル性を評価した。また、鉄鋼材のスクラップに銅が混入することが指摘されていることより、銅の素材価格を考慮し、素材価格の上昇が鉄スクラップ中への銅の混入を低下させる様子を表わすモデルを構築した。これにより、マクロな観点から、分離・回収における収益が上昇することによって、最適解体手順が進み、分離度が高まることが確認できた。
また、解体設計評価ツールでは、製品構造を表わすJ-P matrixのデータからAND/ORグラフを描画するソフトを作成し、分析ならびに考察を容易にした。さらに、最適解体手順の探索はNP完全な最適化問題であることから、なるべく分析にかかる計算時間が短くなるようなアルゴリズムとするため、クラスタリング手法を追加することで改善した。これにより、実際有限時間で解を得ることが困難と予想された自動車のような1万点を超える製品についても、2時間程度で解を得ることが可能であると想定された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 日本における鉄鋼材の循環利用に伴うクロムの物質フロー2009

    • 著者名/発表者名
      小田隆史, 醍醐市朗, 松野泰也, 足立芳寛
    • 雑誌名

      鉄と鋼 95

      ページ: 720-729

    • 査読あり
  • [学会発表] 銅価格を考慮した国内鉄スクラップ中の銅混入率推計モデルの構築2010

    • 著者名/発表者名
      川原健吾、醍醐市朗、松野泰也、足立芳寛
    • 学会等名
      日本鉄鋼協会2010年春季講演大会
    • 発表場所
      つくば
    • 年月日
      20100328-20100330
  • [学会発表] 易解体設計評価ツールを用いた資源価格による最適解体手順の変化の分析2010

    • 著者名/発表者名
      村田忠夫、醍醐市朗、松野泰也、足立芳寛
    • 学会等名
      日本LCA学会第5回研究発表会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20100304-20100306
  • [学会発表] Dismantle or shred? Analytical tool for design for disassembly in electrical and electronic equip〓2009

    • 著者名/発表者名
      Ichiro Daigo, Masanori Sasaki, Yasunari Matsuno, Yoshihiro Adachi
    • 学会等名
      LCM2009(International conference on life cycle management)
    • 発表場所
      Cape town, South Africa
    • 年月日
      2009-09-07

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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