HIST装置の真空容器内に設置された外部回転磁場コイルにより回転磁場を生成し、球状トーラスプラズマに印加する実験を行った。外部回転磁場に対するプラズマの応答を磁気プローブで測定し、周波数および外部磁場の回転の向きに対する依存性の詳細を調べた(学術論文[1])。ヘリシティ駆動球状トーラスプラズマの電流駆動過程においてプラズマフローの役割についてイオンドップラー分光システムおよびマッハプローブを用いて評価した(学術論文[2])。プラズマ電流が駆動される時間帯においてはプラズマ電流や密度はインボード(中心導体)に偏っており、プラズマ電流が減衰していく過程において電流分布は磁気軸付近にピークする傾向が確認された。また、プラズマフローもそれに追随するようにその分布を変化させ、プラズマ電流の駆動過程においてはプラズマ電流と同じ向きにトロイダルプラズマフローが形成されていることが明らかとなった。よって、このトロイダルプラズマフローを制御することを通じて、プラズマ電流駆動が可能と考えられる。外部回転磁場コイルの設置位置がアウトボード側にあるため、制御磁場コイルの位置の最適化が必要となる。HIST装置には外部バイアス磁場コイルが設置されているため、ヘリシティ入射用の同軸プラズマガン出口付近の磁場を制御することで、インボード側のプラズマフローを制御する。これらの制御系に米国シアトルにあるワシントン大学の研究グループと共同で開発しているディジタルフィードバック制御系とスイッチング電源の適用を今後行っていく予定である。
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