本年度の具体的成果は以下の通りである。 1. 昨年度に引き続き、ドイツ・TEXTORトカマク装置を対象に完全3次元MHD平衡解析を行った。共鳴摂動磁場によりストカスティックな振る舞いを示す磁力線構造を統計解析し、これまで用いられてきた真空近似と異なる結果になることを明らかにし、有限ベータ効果の影響を定量的に明らかにした。 2. EU・JETトカマクの完全3次元MHD平衡解析を行い、上記、TEXTOR装置と同様の解析を行った。その結果、ダイバータ領域のセパラトリックス付近に磁力線構造の分岐が現れることがわかった。これは、実験結果が示唆していたことをシミュレーションにより再現したことになる。 3.国際熱核融合実験炉ITERの完全3次元MHD平衡解析を行い、トロイダルリップルに対する有限ベータ効果の影響を考察した。次年度にモデルRMPコイルの外部摂動磁場を重畳する準備が完了した。
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