研究概要 |
平成21年度には平成20年度に大阪大学核物理研究センター(RCNP)において行った照射実験の解析を進めた。その結果、300MeV陽子入射によるp-Li準単色中性子(240-300MeV,平均エネルギー287MeV)入射によるBi-209(n, xn)Bi-201, 203, 204, 205, 206, Bi-209(n, x)Tl-199, Bi-209(n, x)Pb-200, 201反応断面積を得た。この結果と以前に行った400MeV陽子入射によるp-Li準単色中性子(300-400MeV,平均エネルギー370MeV)入射によるBiの核種生成断面積の結果とともにBi (n, xn)反応断面積についてはENDF B-VI high energy fileによる評価値及び中性子入射、陽子入射による実験値、Bi同位体以外の核種の生成断面積についてはJENDL-HE data fileによる評価値との比較を行った。本実験結果はしきいエネルギーの高い生成核種については評価値とよく一致したがそれ以外の生成核種については評価値より断面積が大きくなる傾向が見られた。また、陽子入射による実験値と本実験結果は全体的に良い一致を示した。この成果を2009年11月29から12月4日にアメリカ、ナパバレーで開催されたThe fourth international conference in the series of Asia-Pacific Symposium on Radiochemistry (APSORCO9)にて発表した。
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