研究概要 |
平成22年度には大阪大学核物理研究センター(RCNP)において照射実験を行い、392MeV陽子入射によるp-Li準単色中性子(300-400MeV,平均エネルギー387MeV)入射によるCo-59(n,xn)Co-56,57,58,Co-59(n,xn)Mn-52,54反応断面積を得た。得られた結果をJENDL-HE data fileによる核種生成断面積の評価値及び陽子入射による核種生成断面積の実験値との比較を行った。本実験で得られた高エネルギー中性子入射によるCoの核種生成断面積は評価値及び陽子入射による実験値と大体一致する傾向が見られた。 また、これまでに本研究で得られた高エネルギー中性子(平均エネルギー287,370MeV)入射によるBiの核種生成断面積をENDF B-VI high energy file及びJENDL-HE data fileによる核種生成断面積の評価値と比較した。本研究で得られた結果はJENDL-HE data fileの評価値とよく一致する傾向が見られたが反応のしきいエネルギー付近では最新のJENDL-HE data fileよりも過去に評価されたENDF B-VI high energy fileの方が実験値とよく合っており、より精度の高い核種生成断面積評価のために100-300MeVのエネルギー領域の実験データが重要になってくると考えられる。
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