タナゴ亜科魚類は、生きた淡水二枚貝の鰓内に卵を産み込む。タナゴ類のタビラ(Acheilognathus tabira)の卵形は、地域個体群間で異なっており、細長い卵はドブガイ亜科に、球形に近い卵はイシガイ亜科を利用する傾向にあった。卵形の進化の方向性は、細長いものを祖先形質とし、球形に近いものが独立に2回太平洋側に進入したときに分化した。卵が球形に進化したのは、太平洋側に生息している細長い卵形を持つタナゴ類他種との産卵母貝種の競合を避けるため貝類タイプをシフトした結果、卵形が分化したと推論した。
|