研究課題
GnRHニューロンの開口放出調節メカニズムを分子・細胞レベルで解析するために、前申請仮題機関において確立に成功した終神経GnRHニューロンの単離細胞培養系について、同培養ニューロンにおける刺激依存的な開口放出部位を蛍光色素FM1-43を用いて検索した。その結果、高濃度(60mM)K+による脱分極刺激により、細胞体と神経突起の両者において開口放出後の分泌小胞の再取り込みを反映したFM1-43蛍光の上昇をリアルタイムイメージングで観察することができた。しかしながらFM1-43による開口放出現象の解析は時間分解能が悪く、またエンドサイトーシス・エクソサイトーシスをすべて反映してしまい特異性などに限界があった。そこで我々は単一GnRHニューロンの細胞各所におけるGnRH開口放出の調節メカニズムをリアルタイムかつ特異的に検出するために、GFP改変蛍光タンパク質とGnRHとの融合タンパク質などのプローブ遺伝子を特定の培養GniRHニューロンに単一細胞エレクトロポレーション法を用いて導入することを試みた。その結果、約60%の培養GnRHニューロンに目的とする外来遺伝子を導入することに成功した。培養GnRHニューロンに分泌小胞構成タンパク質の一種、シナプトフィジンとEGFPの融合タンパク質を導入した例では、細胞体とバリコシティにおいてEGFP蛍光が点状に集中し、それが移動する様子をタイムラプス観察することに成功した。これらの成果についてはスペインで開催された第1回国際キスペプチン(メタスチン会議)やSociety fbr Neuroscience、日本動物学会、における発表を行うと同時に、現在J.Neuroendocrinologyに論文を投稿し、近く公刊される予定である。
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Endocrinology 146
ページ: 4312-4320