研究課題
真核生物における有中心粒太陽虫の系統的位置を解明することを目的として、Raphidiophrys contractilisのcDNAライブラリを用いたパイロシーケンスによるランダムなクローンの遺伝子配列決定を行った。その結果、平均232bpの363,490の遺伝子配列が得られ、そのうち327,570配列から30,120のコンティグを作成することができた。これらのうち、127遺伝子配列によるデータセットを用いてまずconcatenateモデルによる解析を行った結果、R.contractilisはTelonema subtilisやcryptomonad、haptophyteと共にMLブートストラップ値70%で単系統を形成した。さらに、この単系統グループはStramenopiles、Alveolates、Rhizaria(SARグループ)とMLブートストラップ値65%で姉妹群となった。次に、87遺伝子配列によるデータセットを用いてseparateモデルによる解析を行った結果、concatenateモデルによる解析結果と同様にT.subtilisやcryptomonad、haptophyteと共にRELLブートストラップ値69%で単系統を形成した。またconcatenateモデルの場合と同様にこの単系統グループはSARグループとRELLブートストラップ値92%で姉妹群となった。以上の解析の結果から、有中心粒太陽虫の系統的位置はchromalveolateスーパーグループに含まれることが示唆された。
すべて 2009
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