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2010 年度 実績報告書

シクリッドにおけるオス集団内色彩二型の維持機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20770065
研究機関京都大学

研究代表者

高橋 鉄美  京都大学, 理学研究科, 研究員(グローバルCOE) (70432359)

キーワード生物多様性 / 進化 / 集団内多型 / タンガニイカ湖 / シクリッド / 異型交配 / 色彩多型 / エコゲノミクス
研究概要

タンガニイカ湖に生息する遊泳性シクリッドCyprichromisでは、オスの色彩に明瞭な集団内二型が見られる。しかし、その適応的意議(二型があることの利点)や、二型の維持機構(どうして片方の型だけにならないのか?どうして三型以上にならないのか?)は全く分かっていない。本研究の目的は、この集団内色彩二型の維持機構の解明である。
二型の維持機構を解明する第一段階として、オス色彩の遺伝的基盤の解明を考えている。これまで、野生集団を用いた関連分析において、色彩遺伝子と連鎖する有力な候補遺伝子マーカーが見つかっている。しかしシグナルが弱く、色彩の遺伝的基盤を結論づけるには至っていない。そこで、より精度の高い連鎖解析を行うことにした。この解析では、遺伝的分離を示す世代の集団を養成しなければならない。このため本年度は交配家系を確立し、解析に十分な数のF2個体を得た(オスが全て黄尾型になる家系のメスと青尾型オスを掛け合わせた家系)。F1(子供世代)のオスは全て青尾型で、F2(孫世代)のオスでは青尾型と黄尾型の両方が出現している。中間型が出現していないため、色彩がメンデル遺伝と関係していると考えられる。このF2は、23年度から採択された基盤研究(B)において遺伝的に調査し、遺伝領域の探索を行う。また本年度は、アフリカの現地における採集調査も行った。この調査では、連鎖解析の結果を野生個体で検証するためのサンプルを採集した。
この魚は、オスの色彩が派手で二型があるが、メスは地味で二型はない。このため、オスの色彩二型の維持機構にメスによる配偶者選択が関係していると考えられる。本研究は、アフリカ古代湖シクリッドの性選択による種分化の解明にも貢献するだろう。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] The adaptive radiation of cichlid fish in Lake Tanganyika : a morphological perspective2011

    • 著者名/発表者名
      Takahashi T, Koblmuller S
    • 雑誌名

      International Journal of Evolutionary Biology

      巻: 2011 ページ: Article ID620754(14)

    • 査読あり
  • [学会発表] メスの体サイズが要因の性的サイズ二型(オス>メス)2011

    • 著者名/発表者名
      高橋鉄美
    • 学会等名
      日本生態学会第58回大会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター
    • 年月日
      2011-03-09
  • [学会発表] 自由な発想で考える:シクリッドの分類・進化・生態2010

    • 著者名/発表者名
      高橋鉄美
    • 学会等名
      2010年度日本魚類学会奨励賞受賞講演
    • 発表場所
      三重県文化会館(招待講演)
    • 年月日
      2010-09-24
  • [学会発表] What factors determine body size? A case of a shell-brooding cichlid from Lake Tanganyika2010

    • 著者名/発表者名
      Takahashi T
    • 学会等名
      Evolution 2010
    • 発表場所
      Portland State University (Oregon, USA)
    • 年月日
      2010-06-28

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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