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2008 年度 実績報告書

シダ植物の無配生殖種における双方向性有性生殖能とその遺伝的多様性の維持機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20770067
研究機関京都大学

研究代表者

篠原 渉  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (30467443)

キーワード無配生殖 / 有性生殖 / マレーホウビシダ / キナバル / サイトタイプ / 倍数性 / シダ植物
研究概要

2008年7月22日から8月1日にかけてキナバル山中腹の標高1000m前後からマレーホウビシダを4集団から約80サンプル採集した。また近縁種であり同一高度に成育するウスバクジャクと標高500m前後にのみ生育するウスイロホウビシダの採集もおこなった。採集したサンプルは、形態観察のためのさく葉標本及び生殖様式を確認するための胞子葉(1-2枚)、染色体を観察するための根端、アロザイム及びDNA解析用の葉片、そして胞子を採取するための胞子葉を採取した。各個体の生殖様式は、現地の宿舎で携帯用実体顕微鏡(Nikon、ファーブル)を用いて決定した。次にサンプルを日本に持ち帰り、染色体数の観察によってタイプ分けを行った。その結果マレーホウビシダのなかに2倍体生殖、3倍体無配生殖、4倍体無配生殖のサイトタイプをもつ個体がみつかり、さらに3倍体無配生殖個体は形態形質において二型あり、すなわち大型と小型個体があることがわかった。さらにアロザイム解析と葉緑体DNAの解析からこれらサイトタイプ間の遺伝的関係を推定したところ、これまで予想されていた3倍体無配生殖型大型個体は2倍体有性生殖型と3倍体無配生殖型の雑種起源では説明できないことがわかった。さらにデータは4倍体無配生殖型の起源に別種のウスイロホウビシダが雄親として関わっている可能性を示した。今後さらに遺伝子座を増やすことによってマレーホウビシダの3倍体無配生殖型と有性生殖をおこなうウスイロホウビシダが4倍体無配生殖型が生じていることを示せれば、シダ植物の無配生殖種が雌親として能力を有し、機能していることを世界で初めて証明できる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] キナバル産マレーホウビシダにみられるサイトタイプ間の遺伝的関係2008

    • 著者名/発表者名
      篠原渉
    • 学会等名
      日本植物学会
    • 発表場所
      高知
    • 年月日
      2008-09-25

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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