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2008 年度 実績報告書

ユビキチン修飾によるDNA損傷認識因子XPCの機能調節機構の構造的基盤

研究課題

研究課題/領域番号 20770082
研究機関京都大学

研究代表者

真板 綾子  京都大学, 工学研究科, 研究員 (60415106)

キーワードDNA損傷 / ユビキチン修飾 / 立体構造 / NMR / X線結晶解析
研究概要

本研究では、ユビキチン修飾によるXPC複合体のDNA損傷認識の調節機構を解明することを目指し、生化学的および構造生物学的解析を行っている。生化学的解析では、主にXPCのユビキチン修飾部位の同定を行った。XPCは分子量125 kDaからなり、一次配列予測からN末端側(1-326)とC末端側(532-940)にある構造ドメインと中央の構造ドメインを持たない領域(327-531)から構成される。XPCは、大腸菌を宿主とした系では発現が困難なため、全て昆虫細胞の系を用いている。様々なXPCの変異体を用いた生化学的実験から、主に中央の領域とN末端側(1-117)の領域で、ユビキチン化がおこることを明らかにした。ただし、これらの領域以外でもユビキチン化される部位が三箇所あるため、現在、残りの修飾部位を探索している。次年度は、ユビキチン化されないXPC複合体を作成し、in vitroでの修復反応を行うことにより、ユビキチン化の生物学的意義を調べる。構造生物学的解析では、XPCとユビキチンリガーゼの基質サブユニットDDB2の相互作用に着目した構造研究を試みた。最初のステップである、免疫沈降実験を用いたXPCのDDB2相互作用領域の同定では、様々なXPCの欠失変異体を用いて相互作用解析を行ったが、DDB2相互作用領域を絞り込むことができなかった。これは、DDB2との相互作用領域がある領域に限定されておらず、広範囲にわたっているためと考えられる。したがって、DDB2の相互作用領域を含み構造解析に適したドメインの探索は、困難であることがわかった。そこで、現在、XPC-DDB2の相互作用と並んで重要である、XPC複合体と損傷DNAの相互作用に着目した構造研究を行うための準備を進めている。XPCの損傷DNA認識領域は、既に損傷DNAとの複合体構造が解かれている酵母オルソログRad4を元に予測することができる。なお、損傷DNAの認識はXPCのみで行われるが、XPC複合体の構成因子の一つであるcentrin2がその認識を促進することが明らかにされているため、次年度は、XPC-centrin2と損傷DNAの複合体の構造研究を目指す。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 図書 (1件)

  • [図書] KEK基礎科学シリーズ第8巻『構造生物学』4.2節遺伝子の修復と修飾2009

    • 著者名/発表者名
      白川昌弘・大野綾子
    • 総ページ数
      10
    • 出版者
      共立出版

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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