脳神経系において、細胞外自己保護因子の中には、分泌小胞によるエクソサイトーシスを介さずに細胞外に遊離するものが存在する。本年度は、自己保護分子ProTαの非小胞性細胞外遊離機構の解明を行った。 細胞外遊離担体分子の同定:細胞外ProTαと結合する分子としてS100A13を同定し、本分子がストレス誘発性ProTα細胞外遊離の遊離担体であるにとを明らかとした。 蛋白質間相互作用解析:ProTαとS100A13の分子間相互作用をバイオセンサーQCMで解析し、両者の相互作用はCa^<2+>濃度依存的であることを見出した。さらに、ProTαの部分欠失変異体を用いてS100A13との相互作用必須領域の決定に成功した。 ストレス種によるProTα遊離制御機構の解明:ProTαの遊離オは、ネポトーシス時に誘発され、アポトーシス時には起には起こらない。本制御は、アポトーシスによる活性化Caspase-3が、ProTαのS100A13相互作用必須領域を切断するためであることを明らかとした。 遊離機構のパスウェイシミュレーション:ストレス種に主応じたProTα遊離機構駆動モデルを作製し、シミュレーションソフトによって解析したところ、細胞内外のそれぞの分子量変動について実験研究と同一の結果を得ることが出来た。 ProTαは、アクローシス時において細胞内でフポトソーム形成阻害等の自己保護能を有しており、ネクローシス時には細胞外に遊離し自己保護能を駆動する。ProTαは細胞運命決定分子として位置づけられ、遊離の全容を含めた分子機構の解明が期待される。
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