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2008 年度 実績報告書

多機能分子CaMによるCaチャネル制御の構造的基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20770110
研究機関福岡大学

研究代表者

森 誠之  福岡大学, 医学部, 講師 (80342640)

キーワード生理学 / 細胞内カルシウム / イオンチャネル / カルシウム結合蛋白質 / X線構造解析 / 興奮性細胞 / 蛍光エネルギー移動(FRET) / イメージング
研究概要

細胞の興奮メカニズムの機能を明らかにすることを目的として、細胞内カルシウムの動員に関与する分子、特に広範囲の細胞に発現しているカルシウム結合蛋白質カルモジュリン(CaM)とカルシウムを透過するイオンチャネルとの相互作用について、機能とその構造に関する研究している。我々はカルシウム結合型のCa^<2+>CaMと電位依存性CaチャネルのCaM結合部位であるIQモチーフとの断片的複合体のX線結晶構造解析に成功し、分子シュミレーションとの組み合わせから、新たな機能と構造の関連性を見出した(Mori et.al.,Structure 2008)。本年度は、この方法論をカルシウムフリーのapoCaMとCaチャネル断片(電位依存性L型)に対して行い、構造的基盤を明らかにすることを試みた。得られた結晶は分解能3.0Aで回折像を得、報告されていたapoCaMの構造を元に、分子置換法を用いその位相を決定した。解析の結果、apoCaMは二量体を形成していた。しかしCaチャネルの断片を同定するには至らなかった。このことはapoCaMがチャネルに対して強い結合定数を持っているにもかかわらず、複合体は安定構造を取りにくいことを示唆するもので、結晶を得るため上で障害の一つであると考えた。そこで新たに結晶を得るため、カルシウムと常に結合しない機能的安定性を人為的に加えた変異型apoCaMを用いてスクリーニングを行っている。CaMとチャネルの細胞内での相互作用を観測するため、細胞内FRET(CFP,YFP融合Protein)法を用いた予備的実験を行った。細胞内カルシウム依存的なCaMの作用を観測するため、新たにFRETによる相互作用と細胞内カルシウムの同時計測システムを開発している。このシステムを用いて、カルシウム依存的なCaMのチャネルに対する作用を細胞内で観察することが可能になってきた。今後、CaM-チャネル結合との関連性について、機能的側面からの検討を加える予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Crystal structure of the CaV2 IQ domain in complex with Ca2+/calmodulin : high-resolution mechanistic implications for channel regulation by Ca2+2008

    • 著者名/発表者名
      Mori M. et.al.
    • 雑誌名

      Structure 16

      ページ: 607-620

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Nitric oxide-cGMP-protein kinase G pathway negatively regulates vascular transient receptor potential channel TRPC62008

    • 著者名/発表者名
      Takahashi S., et.al.
    • 雑誌名

      J. Physiology 586

      ページ: 4209-4223

    • 査読あり
  • [学会発表] Atomic structure of Ca,2 IQ domain complexed with Ca^<2+>/calmodulin2008

    • 著者名/発表者名
      Mori M., et.al.
    • 学会等名
      Society for Neuroscience
    • 発表場所
      Washington D.C. (U.S.A.)(Neuroscience meeting)
    • 年月日
      2008-11-17
  • [備考]

    • URL

      http://www.med.fukuoka-u.ac.jp/physiol/index-j.htm

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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