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2009 年度 実績報告書

細胞質ダイニンのストークドメインの構造研究

研究課題

研究課題/領域番号 20770118
研究機関東京大学

研究代表者

志波 智生  東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (80401206)

キーワードモーター蛋白質 / X線結晶構造解析
研究概要

モータータンパク質には、ダイニン、キネシン、ミオシンなどがある。ミオシン及びキネシンは、すでに原子レベルで結晶構造が明らかにされているが、ダイニンのモータードメインの原子レベルでの構造解析の例は、ごく最近に明らかになった酵素であるSRS(seryl tRNA-synthetase)とダイニンのモータードメインのストークドメインを融合させた蛋白質の構造解析の1例しかない。その構造は、微小管に弱く結合する状態で、微小管に強く結合する状態の構造は分かっていない。細胞質ダイニンは、キネシンやミオシンと同じモータータンパク質の1つで、微小管上をマイナス端方向に移動し、細胞内小胞輸送、細胞分裂時における染色体の分離など、多様でかつ重要な生物学的役割を担っている。本研究課題では、実際に微小管と相互作用するストークドメイン(coiled-coil領域+ストークヘッド)に注目し構造研究を進め、微小管に強く結合する状態の構造を明らかにすることでダイニン分子の微小管の認識メカニズムを明らかにすることを目的としている。そこで、様々な長さのマウスダイニンストークドメインを大腸菌で発現・精製し結晶化条件の探索を行った。その結果、277残基のコンストラクトで、ポリエチレングリコール4000を結晶化剤とする条件下で再現性良く棒状の結晶を得ることに成功した。セレノメチオニン化した蛋白質の結晶を作成し、シンクロトロン放射光でX線回折強度データの収集を行い(分解能=2.9Å)、多波長異常分散(MAD)法を用いて解析を行ったところ、coiled-coilの領域の部分構造を得ることができた。得られた部分構造は、報告されているcoiled-coilと比較するとセレンの異常分散効果から計算されるメチオニン残基の位置がずれており、coiled-coilの領域が異なる2状態をとりうることを示すことができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Crystallization and preliminary crystallographic analysis of cyanide-insensitive alternative oxidase from Trypanosoma brucei brucei2010

    • 著者名/発表者名
      Yasutoshi Kido
    • 雑誌名

      Acta Crystallographica Section F F66

      ページ: 275-278

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Overproduction, purification, crystallization and preliminary X-ray diffraction analysis of Trypanosoma brucei gambiense glycerol kinase2010

    • 著者名/発表者名
      Emmanuel Oluwadare Balogun
    • 雑誌名

      Acta Crystallographica Section F F66

      ページ: 304-308

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Functional importance of Crenarchaea-specific extra-loop revealed by an X-ray structure of a hetero-tetrameric crenarchaeal splicing endonuclease2009

    • 著者名/発表者名
      Shigeo Yoshinaril
    • 雑誌名

      Nucleic Acids Research 37

      ページ: 4787-4798

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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