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2009 年度 実績報告書

ミトコンドリア蛋白質の生体防御反応における役割解明

研究課題

研究課題/領域番号 20770123
研究機関九州大学

研究代表者

小柴 琢己  九州大学, 理学研究院, 准教授 (70403970)

キーワードミトコンドリア / 抗ウイルス免疫 / 自然免疫 / MAVS / Mitofusin 2 / シグナル伝達 / インターフェロンβ
研究概要

最近の研究から、ミトコンドリアが自然免疫と密接に関わっていることが明らかになってきた。その際、ミトコンドリア外膜に局在するmitochondrial antiviral signaling protein (MAVS)が抗ウイルス応答に不可欠な役割を果たしている。このMAVS経路においてミトコンドリア外膜上でのMAVS調節因子はこれまでにほとんど明らかにされていなかった。本研究では、ミトコンドリア外膜上での抗ウイルス応答におけるMAVSの調節機構を明らかにすることを目的とし、研究を行った。
初めに、MAVSのミトコンドリア外膜上における状態を明らかにするため、HEK293細胞から単離したミトコンドリアを可溶化し、分子量を調べた結果、MAVSはミトコンドリア外膜上で高分子量の会合体を形成していることが示された。次に、ミトコンドリア外膜上でのMAVSとの相互作用因子を同定する目的で、免疫沈降法によるスクリーニングを行った結果、いくつかのミトコンドリア蛋白質が相互作用していることを発見し、その一つにMitofusin 2(Mfn2)がMAVSと相互作用しておりことが明らかになった。そこで、Mfn2のMAVSシグナル伝達に及ぼす影響について調べた結果、Mfn2を過剰発現した細胞では、MAVS刺激によるIFN-β産生が抑制されることを知り、さらにMfn2欠損細胞では、RNAウイルス感染に伴うIFN-β産生量が野生型のそれと比較して増加していることを示すことが出来、従ってウイルス感染細胞内でのウイルス複製の低下を考察することが出来た。また、共免疫沈降実験の結果から、MAVSとMfn2の結合にはそれぞれの各ドメインが必要なことが分かった。
以上のことから、Mfn2はミトコンドリア外膜上でのMAVSの調節因子として抗ウイルス応答における重要な役割を果たしていることを示すことが出来た。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] ミトコンドリア外膜タンパク質Mitofusin2によるウイルス免疫制御機構2010

    • 著者名/発表者名
      小柴琢己
    • 雑誌名

      実験医学(羊土社) 28

      ページ: 429-432

  • [雑誌論文] ミトコンドリア外膜上でのウイルス免疫制御機構.2010

    • 著者名/発表者名
      小柴琢己
    • 雑誌名

      生化学(日本生化学会) 82

      ページ: 135-139

  • [雑誌論文] Mitofusin 2 inhibits mitochondrial antiviral signaling.2009

    • 著者名/発表者名
      Yasukawa, et al.
    • 雑誌名

      Science Signaling 2

      ページ: ra47

    • 査読あり
  • [学会発表] Mitochondrial dynamics in mammalian cells and an insight for antiviral innate immunity2010

    • 著者名/発表者名
      Takumi Koshiba
    • 学会等名
      STINT workshop on Invertebrates
    • 発表場所
      ウプサラ市(スウェーデン)
    • 年月日
      2010-03-15
  • [学会発表] Mitochondrial dynamics and an insight for antiviral innate immunity2010

    • 著者名/発表者名
      Takumi Koshiba
    • 学会等名
      International Symposium "Intercellular Recognition and Allogenic Authentication : Perspectives of Reproduction Mechanisms Shared by Animals and Plants"
    • 発表場所
      SIR Winston Hotel名古屋市
    • 年月日
      2010-01-14
  • [学会発表] Mitofusin 2 acts as a negative regulator of mitochondrial antiviral immunity2009

    • 著者名/発表者名
      Yasukawa, K., Oshiumi, H., Takeda, M., Ishihara, N., Yanagi, Y., Seya, T., Kawabata, S., Koshiba, T.
    • 学会等名
      第32回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      バシフィコ横浜
    • 年月日
      20091200
  • [学会発表] Mitofusin 2 acts as an inhibitor of mitochondrial antiviral signaling2009

    • 著者名/発表者名
      小柴琢己
    • 学会等名
      第82回日本生化学会大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2009-10-23
  • [学会発表] ミトコンドリア外膜上での自然免疫調節機構2009

    • 著者名/発表者名
      小柴琢己
    • 学会等名
      第9回日本蛋白質科学会年会
    • 発表場所
      熊本全日空ホテルニュースカイ
    • 年月日
      2009-05-21
  • [備考]

    • URL

      http://www.biology.kyushu-u.ac.jp/~koshiba/

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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