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2008 年度 実績報告書

超高感度時間分解赤外分光システムの開発 ~プロトンポンプ機構の解明~

研究課題

研究課題/領域番号 20770125
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

山口 悟  兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 助教 (20347529)

キーワード赤外分光法 / プロトンポンプ / エネルギー変換 / 構造生物学 / 膜蛋白質
研究概要

20年度は現有の赤外分光装置に赤外レーザーを組み合わせて時間分解赤外振動分光システムの作製を行なった。赤外白色レーザーはフェムト秒レーザーを数種類組み合わせて発信させた。安定化の為に、温調、湿度のコントロールを行った。また種となるレーザーの電源ノイズを極力減らした。その結果、中赤外域(1000cm^<-1>-2000cm^<-1>)で400cm^<-1>の幅を持つ安定な発振に成功した。さらに測定に使われる全ての機器を一台のコンピューターで制御するプログラムを新たに作成した。またコンピューター内部の電源を源泉とするノイズが測定結果の悪影響を及ぼすことが明らかにし、このノイズを極限にまで減らす工夫を行った。これらにより精度の高い繰り返し積算が行なえるようになった。中赤外領域での赤外分光においては空気中の二酸化炭素と水蒸気がスペクトルの質を大きく低下させる。我々が目指している蛋白質由来の微弱信号を精度良く測定するためには、水蒸気由来の信号の影響が大問題となる。そこで測定システムすべて覆うチャンバーを作成し、脱気/乾燥窒素ガス充填を繰り返すことで測定系の相対湿度をほぼ0%にすることに成功し、スペクトル上から二酸化炭素、水蒸気の信号を完全に取り除いた。蛋白質は緩衝液に懸濁されているが、H_2Oの信号は4x10^<-3>A/℃の温度依存性があり、この温度依存性は微小変化の追跡には許されないふらつきとなる。そこでセルと恒温槽と組み合わせて温調、恒温を可能とする新しいセルを設計、製作した。この装置を用いて光路長50μmのセルを用いて緩衝液中の存在するチトクロムcの酸化還元差スペクトルの測定に成功した。ここにフェムト秒赤外白色レーザーを光源とした赤外分光装置が完成した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Red-excitation resonance Raman analysis of the nu(Fe=0) mode of ferryl-oxo hemoproteins2009

    • 著者名/発表者名
      Ikemura K, et.al.
    • 雑誌名

      J Am Chem Soc 130

      ページ: 14384-14385

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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