21年度はフェムト秒赤外白色レーザーを光源とした赤外分光装置を用いて時間分解実験の検討を行った。試料にはあらかじめ阻害剤を結合させておき、反応液を混合する。その後、混合液を微細流路中に流し、上流でレーザー光により阻害剤を光乖離させて化学反応を開始する。下流で赤外レーザーを用いてスペクトルを測定するポンプ/プローブ法を計画した。 まず、我々の目的の速度で均一に二液を混合することが出来るミキサーの検討を行った。シリンジポンプを用いて二液をミキサー内に導入した後、短時間で均一に混合するミキサーが求められた。比較検討した結果、市販のミキサーが最適であることが分かった。次にマイクロフローチップを作製した。赤外レーザー光を用いて水溶液の測定を行うので、光路長50μm、流路幅400μm径に設定し、試料と参照を同時に測定するダブルビーム方式で測定を行うのに最適なフッ化カルシウム製セルを設計/試作した。二枚のフッ化カルシウムの板の上に厚さ50μmのSU-8樹脂を塗布し、硬化させてセルを作製した。チップ内は高圧になるので極微小のピンホールも許されないが、試行錯誤を繰り返した結果マイクロフローチップを完成させた。
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