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2008 年度 実績報告書

筋萎縮性側索硬化症に関わるSOD1蛋白質の凝集抑制メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 20770130
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

古川 良明  独立行政法人理化学研究所, 構造神経病理研究チーム, 基礎科学特別研究員 (40415287)

キーワードSOD1 / 蛋白質凝集 / 神経変性疾患 / アミロイド / 翻訳後修飾 / 筋萎縮性側索硬化症 / 金属シャペロン蛋白質
研究概要

SOD1はCu, Znイオンを結合し、分子内S-S結合を形成することで活性化する酵素である。これらの翻訳後修飾がSOD1凝集に及ぼす影響を検討した結果、アポ・s-s結合還元型のみが不溶性となった。この不溶性SOD1凝乗物はアミロイド線維に見られる分光学的特徴を呈し、直径約10nmの線維状形態を有することが原子間力顕微鏡により明らかとなった。さらに、変異SOD1 (G37R)を発現したトランスジェニックマウスの脊髄においてもThioflavin-S (アミロイド様構造に結合することで蛍光を示す有機小分子)に陽性の構造物が認められた。そこで、まず、ALS変異がSOD1のZnイオン結合に及ぼす影響を分光学的手法(Coイオンをモデルとして用いた)により検討したところ、SOD1とZnイオンの結合がALS変異(G37R, G85R, G93R)により低下することが示唆された。次に、培養細胞にSOD1を発現させ、S-S結合を持つSOD1の細胞内での割合を電気泳動法により決定したところ、一部のALS変異(G85R)によりS-S結合型の割合が著しく減少していた。よって、ALS変異によりSOD1の翻訳後修飾が不完全になることでアポ・S-S結合還元型の割合が増加し、アミロイド線維様に凝集すると考えられる。そこで、SOD1を活性化させる金属シャペロン蛋白質であるCCSを培養細胎内にSOD1と共発現させると、S-S結合型SOD1の割合が増加し、ALS変異SOD1の凝集が抑制された。以上の結果から、翻訳後修飾過程を促進させることがSOD1の細胎内凝集を抑制する有効な手段であることが分かった

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 翻訳後修飾が制御するSOD1蛋白質の活性化と凝集のメカニズム2009

    • 著者名/発表者名
      古川良明
    • 雑誌名

      生物物理 49(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Complete loss of post-translational modifications triggers, fibrillar aggregation of SOD1 in the familial form of amyotrophic lateral sclerosis2008

    • 著者名/発表者名
      Yoshiaki Furukawa
    • 雑誌名

      The Journal of Biological Chemistry 283

      ページ: 24167-24176

    • 査読あり
  • [学会発表] Molecular dissection of SOD1 aggregation and its structural rationale2008

    • 著者名/発表者名
      古川良明、金子貢巳、貫名信行
    • 学会等名
      日本生物物理学会第46回年会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      20081203-20081205
  • [学会発表] Cross-seeded Fibrillization Describes Recruitment of RNA-binding Protein into Polyglutamine Aggregates2008

    • 著者名/発表者名
      古川良明
    • 学会等名
      第31回日本神経料学会年会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
    • 年月日
      2008-07-09
  • [学会発表] 神経変性疾患におけるSOD1蛋白質の成熟化と凝集制御のメカニズム2008

    • 著者名/発表者名
      古川良明
    • 学会等名
      第8回日本蛋白質料学会年会
    • 発表場所
      タワーホール船堀
    • 年月日
      2008-06-12

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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