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2008 年度 実績報告書

ミスマッチ修復因子による制癌のための分子制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 20770136
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

吉岡 研一  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (70321916)

キーワード発がん / ミスマッチ修復因子 / ゲノム不安定性 / マイクロサテライト不安定性 / クロモソーマル不安定性 / 加齢 / H2AX
研究概要

発がんにおいて、加齢は非常に強いリスク要因となる。しかしながら、発がんがゲノム不安定性に関連して発生する疾患であることを鑑みると、「ゲノムが不安定化するリスクが、どのように加齢に伴って上昇するか」という未解決の非常に重要な疑問がある。この点は、大きく2種類に大別されるゲノム不安定性(ミスマッチ修復因子欠損において認められるマイクロサテライト不安定性とミスマッチ修復因子存在下でも認められるクロモソーマル不安定性)の両方に共通する問題である。本研究課題の達成のため、まずゲノム不安定性が発生する要因を目指した。これまでに、ゲノム不安定性に対して、H2AXの発現レベルとそのDNA損傷修復に対する機能が鍵となっていることを見出した。実際、H2AXのノックダウンによっても細胞の老化が誘導されるが、自然な細胞老化の過程においてもH2AXが顕著に減少していることを発見した。この時、細胞内H2AX量の減少に伴ってDNA複製ストレスで生じた損傷に感受性となることが分かった。また、老化細胞の不死化過程で認められるゲノム不安定性は、DNA複製ストレスによって生じた損傷が、細胞周期チェックポイントを通り抜け、M期において染色体の分離異常を引き起し、スピンドルミッドゾーンの形成を阻害することが原因となることが分かった。一方、ミスマッチ修復因子による機能的側面の解析においては、細胞周期のS期に複製に伴って露出する損傷の場合には06メチルグアニン損傷以外にも、抗がん剤等でも一部使用されるFdUによるDNA損傷でも損傷応答チェックポイントの活性化に直接に関わっていることが見出された。この時、ミスマッチ修復因子は、損傷センサーとして機能している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] The Mismatch Repair-Mediated Cell Cycle Checkpoint Response to Fluorodeoxyuridine2008

    • 著者名/発表者名
      Liu, A., Yoshioka, K., Salerno, V., & Hsieh, P.
    • 雑誌名

      J. Cellular Biochem 105

      ページ: 245-254

    • 査読あり
  • [学会発表] 老化細胞の形質転換は、H2AXの減少-DNA修復能の低下-DNA損傷の蓄積DNAの傷のM期への進行-ゲノム不安定化を経由して誘導される2008

    • 著者名/発表者名
      吉岡研一
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2008-12-10

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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