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2008 年度 実績報告書

大腸菌低分子RNAによる遺伝子発現抑制系の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20770137
研究機関名古屋大学

研究代表者

森田 鉄兵  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10444366)

キーワード低分子RNA / 遺伝子発現制御
研究概要

本研究計画は、大腸菌低分子RNAによる遺伝子発現抑制系を詳細に解明することを目的にしている。申請者らはこれまでに大腸菌低分子RNAのひとつであるSgrSによるptsG mRNAの抑制系の解析を行い、機能実体としてSgrS/Hfq/RNase E複合体の存在を明らかにし、SgrSによるptsG mRNA抑制において翻訳抑制が第一義的であることを示した。これらの結果から、翻訳抑制により効果的にptsG mRNAが抑制され、またSgrS/Hfqと相互作用するRNase Eにより不要になったptsG mRNAが速やかに分解される、という分子モデルを提唱した。平成20年度においては、SgrSによるptsG mRNA抑制系、特に翻訳抑制のin vitroでの再構成、低分子RNAを含む抑制系を担う機能複合体の構成成分であるRNase E/Hfqの詳細な相互作用領域の同定、およびSgrSと同様に遺伝子発現抑制機能を有する低分子RNAによる標的mRNA抑制の詳細な分子機構の解明に取り組んだ。その結果として、in vitro翻訳系であるPURESYSTEMを用いて低分子RNAによる標的遺伝子抑制の再構成に成功した。また、同系を利用して、低分子RNAによる標的mRNAの抑制において低分子RNA/mRNA間の塩基対形成自身が標的mRNAの翻訳抑制に十分であることを示した。これらの結果を、科学雑誌「Proceeding of National Academy of Sciences of the U.S.A.」に学術論文として発表した。これらの結果は、大腸菌をはじめとする原核生物における低分子RNAによる遺伝子抑制の分子機構の詳細な理解に貢献すると考えられる。また、遺伝子抑制機能を持つ低分子RNAは真核生物にも存在することから、これらの分子作用を比較分析することで、低分子RNAの作動原理の一般的な理解につながると期待している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] RNA, but not proteins, is directly responsible for translational silencing by a bacterial Hfq-banding small RNA2008

    • 著者名/発表者名
      Kimika MAKI, Kanako UNO, Teppei MORITA and Hiroji AIBA
    • 雑誌名

      Proceeding of National Academy of Sciences of the U. S. A. 105(30)

      ページ: 10332-7

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Analyses of mRNA destabilization and translation inhibition mediated by Hfq-binding small RNAs2008

    • 著者名/発表者名
      Teppei MORITA, Kimika MAKI, Mieko YAGI and Hiroii AIBA
    • 雑誌名

      Methods in Enzymology 447

      ページ: 359-78

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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