(1)バキュロウイルスを用いた昆虫細胞発現系からユビキチンリガーゼCRL4^<Cdt2>を精製し、in vitroユビキチン化反応系を構築した。この反応系を用いて、CRL4^<Cdt2>によるCdt1、p21のユビキチン化を直接的に示した。(2)CRL4^<Cdt2>によるユビキチン化の標的となるにはPIPbox内にあるTD配列と、PIPboxから+3、+4アミノ酸下流にある2つ並んだ塩基性アミノ酸が必要であることを明らかにした。この結果から、基質がPCNAと複合体となった時、TD配列と2つの塩基性アミノ酸が外側に向かって立体配置をとり、基質となるシグナル(デグロン)をCRL4^<Cdt2>に提示する立体構造モデルを示した。(3)細胞内CRL4^<Cdt2>と相互作用する因子を質量分析により解析した結果、新規のユビキチン化標的因子の候補を見いだした。
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