研究課題
Yip1AはER-Golgi intermediate compartmentに局在する膜タンパク質であり、我々は先行研究からYip1Aがゴルジ体→小胞体逆行輸送に関与することを明らかにしている。本申請研究では1)Yip1Aをベイトとした酵母ツーハイブリッド法あるいは分割ユビキチン法によるYip1A結合タンパク質の同定、2)再構成系を用いたYip1A結合タンパク質の逆行輸送への関与の証明とその分子メカニズムの解明を行った。前年度までに、Yip1A結合タンパク質群の候補を酵母ツーハイブリッド法あるいは分割ユビキチン法を用いて絞り込み、本年度でMALDI-TOFF法でYip1A結合タンパク質としてmethylenetetrahydrofolate dehydrogenase(Mthfd1), Formiminotransferase Cyclodeaminase(FTCD), GRASP55などを同定した。Mthfd1は葉酸代謝経路に関わる細胞質タンパク質で、免疫沈降法でYip1Aと共沈することを確認した。またゴルジ体に結合する表在膜タンパク質FTCD、GRASP55については間接蛍光抗体法を用いて局在を確認し、Yip1Aと非常に近いメディアルゴルジ体にあることを明らかにした。しかしながらRNA干渉によるYip1発現減少はFTCDとGRASP55のゴルジ体局在に影響しないことを見いだしており、Yip1Aはこれらタンパク質の膜側受容体ではないことが示唆された。現在のところこれらのタンパク質がVSVGタンパク質の順行輸送やコレラ毒素の逆行輸送に関与しない結果を得ているため、引き続き他のカーゴタンパク質の輸送制御への可能性を検証中である。
すべて 2011 2010 2009
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (8件)
Biochim Biophys Acta.Mol.Cell Res.
巻: 1813 ページ: 784-801
Infect Immun
巻: 78 ページ: 178-183
J Cell Sci.
巻: 123 ページ: 3215-25
Genes to Cells
巻: 14 ページ: 355-369
Journal of Cell Science
巻: 122 ページ: 2218-2227
BMC Biology
巻: 17(online) ページ: 38
Journal of Biological Chemistry
巻: 284 ページ: 26620-26630