研究概要 |
1, ウエスタンブロット法により、PSTPIP1, PSTPIP2にそれぞれ特異的な抗体が得られたことを確認した。またこれらの抗体はタイターが高く、内在性のタンパク質を検出できた。 2, PSTPIP1, PSTPIP2を細胞に発現させると、細胞膜でアクチンと共局在することが分かった。これらのタンパク質の機能は細胞膜上のアクチン細胞骨格に関与することが示唆された。 3, PSTPIP1,2のリコンビナントタンパク質を精製し、リポソーム共沈法により膜結合能生を検討したところ、これらのタンパク質は直接膜に結合することが分かった。さらに膜変形作用があることを確認した。 4, 内在性のPSTPIPsをノックダウンし、マクロファージの細胞運動、浸潤能に影響があるかどうか調べたが、実験の技術的な問題により確認できていない。そこでマクロファージのPhagocytosisにおける影響を調べた。その結果PSTPIP2をノックダウンしたとき、Phagocytosisが非常に亢進していることが分かった。 今後の展望 本年度の実験により、PSTPIPsのマクロファージの運動能における影響は上記の理由により確認できていないが、PSTPIP2がPhagocytosisに関与している可能性が強く示唆された。PSTPIP2は自己炎症性疾患に関与しており、マウスのモデルにおいて、PSTPIP2の発現低下により自己炎症性疾患様の症状を示すことが報告されている。Phagocytosisは炎症反応と密接に関わっており、PSTPIP2のPhagocytosisのおける機能を解明することにより自己炎症性疾患の原因と発症機構が明らかになる可能性がある。
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