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2009 年度 実績報告書

ヒアルロン酸マトリクス代謝およびCD44細胞外ドメイン切断阻害による癌浸潤抑制

研究課題

研究課題/領域番号 20770161
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

永野 修  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (30404346)

キーワードCD44 / HAS / 癌細胞浸潤
研究概要

本研究は、癌細胞自身のヒアルロン酸産生のなかでも特に、ADAM17を活性化し、CD44の切断を行っている低分子量ヒアルロン酸の産生機序を明らかにし、癌細胞自身によって形成される細胞外マトリクスのリモデリング機構がどのように癌細胞の運動能や浸潤能に影響を与えるかを明らかにするとともに、RNAiを用いたヒアルロン酸合成酵素(HAS)やADAMファミリーメタロプロテアーゼの特異的阻害が癌の浸潤転移抑制治療と成り得るかについて検討を行うことを目的とし、以下の研究を行った。
1癌細胞浸潤時に活性化されるヒアルロン酸合成メカニズムについての検討
浸潤性癌細胞株U251MG細胞を用いた3Dゲル内培養によって浸潤細胞におけるCD44切断を検出する方法を開発した。その結果、CD44切断はヒアルロン酸依存的細胞周囲マトリクスのリモデリングの促進に関与することで、浸潤性を獲得することを見出した。また、このヒアルロン酸依存的CD44切断を誘導するADAM17の発現抑制によってヒアルロン酸依存的細胞周囲マトリクスの蓄積を誘導し、3Dゲル内浸潤が抑制されることが分かった。また、CD44切断を阻害する薬剤をスクリーニングしたところ数種類の既存薬が見つかった。これらの薬剤はU251MG細胞の3Dゲル内浸潤およびヒアルロン酸のリモデリングを阻害することから、浸潤・転移阻害薬と成り得ると考えられた。
2胃癌自然発生モデルマウスを用いた腫瘍間質マトリクスの検討
胃癌自然発生モデルK19-Wnt1/C2mEマウスを用いて腫瘍間質マトリクスを検討したところ、腫瘍進展に伴うヒアルロン酸の蓄積が認められた。このヒアルロン酸の蓄積は、正常マウスへのプロスタグランジンE2投与でも同様に誘導でき,プロスタグランジンE2の阻害がヒアルロン酸が豊富に存在する腫瘍間質の形成に関わることが分かった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 胃癌幹細胞様細胞の拡大および腫瘍進展におけるCD44の役割2010

    • 著者名/発表者名
      永野修、石本崇胤、佐谷秀行
    • 学会等名
      第9回日本医療学会総会
    • 発表場所
      広島国際会議場
    • 年月日
      2010-03-19
  • [学会発表] 胃癌幹細胞様細胞の拡大および腫瘍進展におけるCD44の役割2009

    • 著者名/発表者名
      永野修、石本崇胤、甲斐千晴、佐谷秀行
    • 学会等名
      第98回日本病理学会総会
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 年月日
      2009-05-01

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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