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2008 年度 実績報告書

イメージング解析を用いたマウス着床前胚発生における細胞分化メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20770176
研究機関基礎生物学研究所

研究代表者

小松 紘司  基礎生物学研究所, 初期発生研究部門, 特別協力研究員 (40456893)

キーワード着床前胚 / 細胞分化 / 内部細胞塊 / 栄養外胚葉 / Oct4 / Nanog / Cdx2
研究概要

平成20年度は、Src型チロシンキナーゼLynの膜移行シグナルと蛍光タンパク質Venusの融合タンバク質遺伝子をRosa26遺伝子座に組み込んだ遺伝子改変マウス胚を顕微鏡下で培養、撮影するための条件検討を行った。この遺伝子改変マウス胚を用いる事により、細胞膜を可視化することができるため、胚発生過程での細胞の挙動を観察する事が可能となる。現在、画像を解析するために最適と思われる条を決定し、発生過程の細胞の挙動と細胞分化の関連性を明らかにするためにデータの収と解析を行っている。
同時に、発生過程におけるOct4、Nanog(内部細胞塊のマーカー分子)、Cdx2(栄養外胚葉のマーカー分子)、それぞれの発現変化について経時的なサンプリングを行い、抗体染色、観察を行った。その結果、Oct4は胚盤胞後期までは全ての細胞に発現し、Cdx2は胚の外側に接している細胞において、発現する細胞数、強度ともに増加していく事は明らかになった。通常、ES細胞ではOct4とCdx2は互いに発現を抑制する事が報告されているが、着床前胚では胚盤胞形成までの間、胚の外側の細胞において2つの因子が同時に発現していることがわかった。この結果から、着床前胚ではES細胞とは異なる発現制御機構が存在する事が考えられる。この結果は、平成20年度に発表した論文(Fujimori, et.al., 2008)の中で報告した。Nanogに関しては、最終的にはOct4と同様に胚盤胞後期では内部細胞塊に発現が限局するが、その過程における発現細胞数、発現パターン、発現強度は個体により大きく異なる事が明らかになった。着床前胚発生過程におけるNanogの発現パターンが細胞分化に及ぼす影響と、その発現制御メカニズムについては引き続き詳細に解析している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Morphological organizaton of the mouse preimplantation embryo2009

    • 著者名/発表者名
      Toshihiko Fujimori, et.al.
    • 雑誌名

      Reproductive Science 16(2)

      ページ: 171-177

    • 査読あり
  • [学会発表] The analysis of cell movement and expression of Oct4 ; Nanog and Cdx2 during mouse blastocyst formation2008

    • 著者名/発表者名
      小松紘司
    • 学会等名
      Frontiers in Developmental Biology(日仏合同発生学会)
    • 発表場所
      Giens (France)
    • 年月日
      2008-09-14
  • [学会発表] The expression of Cdx2 changes according to the position of cells in Mouse blastocyst formation2008

    • 著者名/発表者名
      小松紘司
    • 学会等名
      第41回日本発生生物学会
    • 発表場所
      徳島県
    • 年月日
      2008-05-28

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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