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2009 年度 実績報告書

咽頭弓内胚葉由来の器官形成における新規転写抑制共役因子の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 20770188
研究機関大学共同利用機関法人自然科学研究機構(共通施設)

研究代表者

大久保 直  大学共同利用機関法人自然科学研究機構(共通施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 助教 (10450719)

キーワードTbx1 / Ripply3 / 咽頭弓 / 転写制御 / 胸腺 / 副甲状腺 / 先天性心疾患
研究概要

脊椎動物の発生過程で一過的に現れる咽頭弓は、ダイナミックな分節構造を持つ組織で、そこから様々な器官や組織が派生する。私は、近年見つかった新規遺伝子ファミリーRipply(Ripply1,2,3)のうち、Ripply3が、マウス胎生期の咽頭弓(咽頭嚢とそれに隣接する外胚葉)に強く発現することを見いだした。Riiply3の機能を知るため、Ripply3ノックアウト(KO)マウスを作製し、その表現型を解析した。
その結果、Ripply3 KOマウス胚では、特に第3、4咽頭弓の形成が異常となり、さらに発生が進むと第3、4咽頭弓内胚葉から派生する胸腺、副甲状腺および鯉後体の形成異常が観察された。これらの結果から、Ripply3が咽頭弓及び派生器官の形成に重要であることが示された。さらに、Ripply3 KOマウス胚では、心臓血管系にも重篤な異常が観察された。特に、咽頭弓の形成不全が原因で、第3,4咽頭大動脈の離断がおこり、異常なリモデリングにより心臓流出路と大動脈弓の正常な形成が阻害されることが分かった。さらにRipply3は、咽頭弓で発現するTbx1の転写活性を量依存的に抑制する転写抑制共役因子であることがわかった。また、Tbx1はRipply3に対しepistaticに機能することが両遺伝子のダブルKOマウスの解析から示唆された。
現在、Tbx1/Ripply3によって制御されている下流遺伝子の探索を行っており、それらの解析結果からRipply3の咽頭弓形成における機能をより詳細に明らかにしていく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Ripply3, A Negative Regulator of Tbxl, is Required for the Development of Pharyngeal Apparatus and Cardiovascular System2010

    • 著者名/発表者名
      大久保直(筆頭), 他3名
    • 学会等名
      理化学研究所CDBシンポジウム(ポスター発表)
    • 発表場所
      兵庫県、神戸(理化学研究所CDB神戸)
    • 年月日
      2010-03-23
  • [学会発表] Ripply3-mediated restricted modulation of Tbxl activity in the development of pharyngeal arches, thymus, parathyroid gland, and cardiovascular system2009

    • 著者名/発表者名
      大久保直(筆頭), 他11名
    • 学会等名
      日本分子生物学会年会 ワークショップ(口頭発表)
    • 発表場所
      神奈川県、横浜(パシフィコ横浜)
    • 年月日
      2009-12-09

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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