研究課題
本年度は、マレーシア・サバ州のダナムバレー森林保護区での資料収集を中心に研究を進めた。オランウータン、クリイロコノハザル、ミュラーテナガザル、ブタオザル、カニクイザルの5種の昼行性霊長類を対象として、毎月60時間程度の行動観察を行い、食性、活動時間配分、利用する木の高さ、遊動などの資料を収集した。また、10kmの調査路を設定して、毎月6回程度霊長類のセンサスを行うとともに、月に1度オランウータンのネストセンサス、2週間に一度落下果実のセンサスを行った。また、もっとも多く行動観察の資料の集まったクリイロコノハザルの主要食物(葉と種子各6-10種程度)と、その比較のために森林内の普通種の葉と種子を収集し、栄養分析のために日本に持ち帰った。これらの調査は、主としてマレーシア人アシスタントによって行われた。本研究費の交付以前から行われてきた調査結果も含めると、行動観察の時間はのべ1500時間を越え、センサスでの霊長類の発見回数は400回に及ぶなど、非常に多くの資料を集めることができた。今後は、食物の栄養分析を行うとともに、資料の分析を進めていきたい。
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Primates 49
ページ: 116-125