• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

生活環境が反映された人骨形質の時代的変遷から、日本人の形成過程を探る

研究課題

研究課題/領域番号 20770198
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

澤田 純明  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (10374943)

キーワード自然人類学 / 古人骨 / 生活論 / 骨組織形態学 / ストレス・マーカー / エナメル質減形成
研究概要

日本列島に居住していた過去の人類集団が生活環境の変化にどう適応してきたのかは、日本人の形成過程を探るうえで重要な問題である。本研究では、環境と密接に関連した人骨形質の時代変化を確かめるべく、環境に直接影響される骨代謝の解析と発育期のストレス・マーカー(エナメル質減形成)の検討を通して、生活環境が反映された人骨形質の時代的変遷から日本人の形成過程を解明することを目的とする。具体的には、縄文時代から近代までの各時代集団について、緻密骨の組織形態計測を行なうことで、骨の組織レベルでの代謝状況を詳しく調べ、各時代集団の運動量(肉体労働の程度)や健康状態を評価する。また、エナメル質減形成の出現状況を調査して、その集団社会の生活水準を検討する。これらの結果に基づき、生活環境の人体への影響を多角的に復元することで、人々の生活の実態の変遷を明らかにする。今年度は計画の初年度であり、資料調査とデータの収集に重点をおいた。骨の組織形態学的研究に関して、縄文時代から近世までの古人骨160体より大腿骨骨幹中央部と中位肋骨骨幹部の緻密骨を試料として採取した。採取した試料は、エタノール系列による脱水、スチレン・モノマーによる透徹を経て、樹脂に包埋した。現在、これらを硬組織切断機で薄切し、プレパラートの作成を進めている。歯のエナメル質減形成の研究に関して、縄文から近代までの人骨700体について減形成の出現状況とその形成年齢を調査した。その結果、これまで不明だった中世鎌倉人の減形成出現頻度が他の時代に比べて比較的高いことを明らかにした。また方法論的な問題として、減形成の出現年齢を検討する際には、従来の多くの研究のように1歯種のみを対象とするのではなく、複数の歯種の出現パターンを比較する重要性を指摘した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Severe developmental defects of enamel in a human skeleton of the Final Jomon age from the Nakazawahama shell-mound, Nate, Japan2008

    • 著者名/発表者名
      Junmei Sawada
    • 雑誌名

      Anthropological Science 116

      ページ: 115-121

    • 査読あり
  • [学会発表] エナメル質減形成の出現状況の時代変化と形成年齢について2009

    • 著者名/発表者名
      澤田純明・平田和明
    • 学会等名
      第114回日本解剖学会・全国学術集会
    • 発表場所
      岡山理科大学
    • 年月日
      20090328-20090330
  • [学会発表] エナメル質減形成は離乳のストレスを反映するか?2008

    • 著者名/発表者名
      澤田純明・米田穣・下見光奈・平田和明
    • 学会等名
      第62回日本人類学会大会
    • 発表場所
      愛知学院大学
    • 年月日
      20081031-20081102

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi