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2008 年度 実績報告書

ヒトおよびチンパンジーにおける攻撃性と葛藤解決行動

研究課題

研究課題/領域番号 20770199
研究機関(財)日本モンキーセンター

研究代表者

松阪 崇久  (財)日本モンキーセンター, 特別研究員 (90444992)

キーワード行動学 / 進化 / 攻撃性 / 感情 / 発達
研究概要

タンザニア・マハレ山塊国立公園にて野外調査をおこなう計画であったが、平成20年度には実施することができなかった(平成21年度に実施する)。平成20年度には、過年度にマハレにて収集した野生チンパンジーのデータ分析をおこなった。M集団の主に未成熟個体を対象として個体追跡をおこない、攻撃的交渉や葛藤解決行動に関するデータを収集してきた。また、行動観察と並行して糞サンプルの収集をおこなった。糞中のストレス・ホルモンの濃度分析を山口大学の藤田志歩氏に依頼し、解析を完了した。行動データ等との関連について現在分析を続けている。また、野生チンパンジーの母子が一緒に移動しようとする際に見られる相互交渉に注目し、高藤もともなう場面で互いにどのように調整しあうかという問題について日本赤ちゃん学会にて発表した。
チンパンジーのデータとの比較のため、彦根市内の保育園にてヒト幼児の行動観察をおこなった。自由遊び時間において主に5歳児の行動を観察し、遊びといざこざ場面の社会交渉を記録した。合計約14時間のビデオ・データを収集し、データの分析を現在続けている。また、過年度までの観察データに基づき、ヒト幼児とチンパンジーの社会的遊びにおける笑いの比較をおこなった。その結果、人間の笑いとチンパンジーの笑いには共通点が見られる一方で、攻撃的な文脈での笑いなど、人間の笑いの特徴がいくつか明らかになった。この内容は、笑いの起源と進化について考察した総説論文として『心理学評論』誌に発表した。
他に人間の戦争、暴力、いじめ、動物の攻撃性、武器使用、葛藤解決に関する文献の収集をおこない、暴力、嗜虐性、いじめ、戦争といった現象の進化的基盤に関する論文の執筆準備をおこなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Emergence, Propagationor Disappearance of Novel Behavioral Patterns in the Habituated Chimpanzees of Mahale: Areview2009

    • 著者名/発表者名
      NishidaT, Matsusaka T, McGrew WC
    • 雑誌名

      Primates 50(1)

      ページ: 23-36

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 笑いの起源と進化2008

    • 著者名/発表者名
      松阪崇久
    • 雑誌名

      心理学評論 51(3)

      ページ: 431-446

    • 査読あり
  • [学会発表] 野生チンパンジーにおける移動をめぐる母子間交渉2009

    • 著者名/発表者名
      松阪崇久
    • 学会等名
      日本赤ちゃん学会
    • 発表場所
      彦根市、滋賀県立大学
    • 年月日
      2009-05-16

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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