• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

ヒトおよびチンパンジーにおける攻撃性と葛藤解決行動

研究課題

研究課題/領域番号 20770199
研究機関京都大学

研究代表者

松阪 崇久  京都大学, 霊長類研究所, 非常勤研究員 (90444992)

キーワード行動学 / 進化 / 攻撃性 / 感情 / 発達
研究概要

平成21年度にはまず、過年度にタンザニア・マハレ山塊国立公園において収集した野生チンパンジーの攻撃的交渉のデータ分析をすすめた。攻撃的交渉とストレスの生理学的指標との関連についての論文の執筆準備をおこなった。また、6月14日から8月28日までタンザニアへの出張をおこない、マハレ山塊国立公園にて野生チンパンジー(M集団)の野外調査をおこなった。約160時間の直接観察により、フィールドノート5冊、ビデオテープ6本分のデータを収集した。主に未成熟個体を対象として個体追跡をおこない、攻撃的交渉と葛藤解決行動(仲直り)、慰め行動についてのデータ収集をおこなった。
年度の後半には、京都大学霊長類研究所の飼育チンパンジーを対象として、音声コミュニケーションについての行動観察をおこなった。屋外放飼場でのチンパンジーの発声行動を記録し、それに対する実験室内のチンパンジーの反応を分析した。霊長類研究所のチンパンジーは2群に分けられており、自分が所属する群れの音声に対してよく反応する傾向があったが、闘争時の悲鳴などの音声に関しては反応性が高まり、別群の音声にも関心を向けていることがわかった。以上の結果を国際シンポジウムにて発表した。現在、論文の執筆をすすめている。
他に、チンパンジーを含む動物の「笑い」に関する記述を整理し、ヒトの笑いと進化的につながる行動について論じた文章を公表し、学会などでも発表をおこなった。また、ビデオ映像を用いて野生チンパンジーの行動目録を作成し、攻撃行動や威嚇的ディスプレイの行動パターンについても整理した。初年度に収集した保育園のヒト幼児の攻撃的交渉に関するデータの分析も進めた。今後、チンパンジーとの詳細な比較をおこなっていく。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 動物の笑い-笑いの起源論(2)2010

    • 著者名/発表者名
      松阪崇久
    • 雑誌名

      CHILD RESEARCH NET, http://www2.crn-or.jp/blog/report/01/51.html

  • [雑誌論文] 動物の笑い-笑いの起源論(1)2009

    • 著者名/発表者名
      松阪崇久
    • 雑誌名

      CHILD RESEARCH NET, http://www2.crn.or.jp/blog/report/01/49.html

  • [学会発表] Vocal communication of captive chimpanzees2010

    • 著者名/発表者名
      Matsusaka T
    • 学会等名
      HOPE-GM INTERNATIONAL SYMPOSIUM "PRIMATE MIND and SOCIETY
    • 発表場所
      Kyoto University
    • 年月日
      2010-03-22
  • [学会発表] 笑いの起源と進化-チンパンジーの遊びと笑い2010

    • 著者名/発表者名
      松阪崇久
    • 学会等名
      ユーモアサイエンス学会第1回研究会
    • 発表場所
      関西大学
    • 年月日
      2010-01-30
  • [学会発表] 野生チンパンジーの映像エソグラムの作成とその応用について2009

    • 著者名/発表者名
      西田利貞・座馬耕一郎・松阪崇久・稲葉あぐみ
    • 学会等名
      第63回日本人類学会大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-10-04
  • [学会発表] 野生チンパンジーにおける移動をめぐる母子間交渉2009

    • 著者名/発表者名
      松阪崇久
    • 学会等名
      日本赤ちゃん学会第9回学術集会ラウンドテーブル「比較認知発達の視点からみた赤ちゃん研究」
    • 発表場所
      滋賀県立大学
    • 年月日
      2009-05-16

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi