研究概要 |
・ OsDREB1遺伝子ファミリーの中で最も高い転写活性化能を持つOsDREB1Gの過剰発現体を用いて、OsDREB1Gによって制御される遺伝子を調べようとしたが、過剰発現体が得られなかった。そこで動物ホルモンであるデキサメタゾン(DEX)誘導性プロモーターでOsDREB1Gを制御した形質転換イネを用いてマイクロアレイ解析を行った結果、DEX処理したOsDREB1G植物では156遺伝子が3倍以上誘導され、214遺伝子が1/3以下に抑制された。しかし、OsDREB1Gを含まないコントーロール植物でもDEX処理によって多くの遺伝子発現が影響されるため、コントロール植物でDEX処理によって2倍以上変動する遺伝子を除くと、OsDREB1Gの過剰発現によって特異的に発現レベルが変動する遺伝子は、誘導されるものとして76遺伝子、抑制されるものとして46遺伝子が確認された。 同様にデキサメタゾン誘導性プロモーターでOsDREB1Aを制御した形質転換イネと比較した結果、OsDREB1Gによって制御されている遺伝子の多くはOsDREB1Aによっても制御されていた。 ・ グルタチオン-S-トランスフェラーゼと融合したOsDREB1A,1B,1C,1D,1E,1G,1H,1Jタンパク質を用いて、これらのタンパク質がrd29A遺伝子のプロモーターが持つDRE配列に特異的に結合するかゲルシフト解析により調べたところ、OsDREB1A同様にOsDREB1B,1C,1Gタンパク質でも強い結合が確認された。OsDREB1E,1H,1Jタンパク質でも結合が確認されたが、その結合は弱く、OsDREB1Dタンパク質では結合が確認されなかった。
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