研究概要 |
・OsDREB1遺伝子の発現の局在性を調べるために、これまでOsDREB1遺伝子のプロモーターでGUS遺伝子の発現を制御した植物を観察したが、根での発色は観察できたが、葉での発色が確認できなかったため、新たな方法として、昨年度からOsDREB1遺伝子のプロモーターでOsDREB1-GFP融合タンパク質の発現を制御した植物を作製していた。この内OsDREB1BプロモーターでOsDREB1-GFP融合タンパク質の発現を制御した植物を観察したところ、ノーザン解析の結果、多くの植物で低温によりOsDREB1B-GFP融合転写産物が誘導されることが確認できた。一方GFPタンパク質の蛍光は低温条件下においてほとんど確認されなかった。 ・昨年度までの研究成果を元に学術論文を作成し、現在投稿準備中である。その概要はイネが持つ10個のOsDREB1遺伝子を網羅的に解析し、それら遺伝子の環境ストレス応答性を調べたところ、多くの遺伝子は低温ストレス特異的に誘導されるが、OsDREB1C,OsDREB1E.OsDREB1Iは乾燥や高塩によっても誘導された。転写活性化能を調べたところ、OsDREB1D以外のものは全て転写活性化能を持つことが確認された。DREへの結合能を調べたところ、OsDREB1A同様にOsDREB1B,1C,1Gタンパク質も強い結合が確認された。OsDREB1E,1H,1Iタンパク質も結合が確認されたが、その結合は弱く、OsDREB1Dタンパク質では結合が確認されなかった。さらに以前報告したOsDREB1Aとの相同性が比較的低いが、転写活性化能が最も高いOsDREB1G遺伝子の機能を調べるために、デキサメタゾン誘導性プロモーターでOsDREB1Gの発現を制御したイネをマイクロアレイ解析し、OsDREB1Aとの違いを調べたが、大きな違いは観察されなかった。
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