研究概要 |
アイリスの球根形成が温度により制御されていることを確認するために,15℃および25℃で16週間栽培した.15℃および25℃処理区において,展開葉数には差がなかったが,15℃処理区では球根形成が促進され,25℃処理区では球根形成が阻害された,また,食用ハスにおいて,長日条件下(非球根形成条件)および短日条件下(球根形成条件)でエセフォン処理を行ったところ,長日条件下でのエセフォン処理では球根が形成されず,短日条件下でのエセフォン処理では球根が形成されたことから,食用ハスの球根形成において,エチレンは関与していないことが明らかになった,さらに,食用ハスの球根形成にはジベレリンが関与していることが示唆されている(長日条件では内生ジベレリン量が高く,短日条件では内生ジベレリン量が低くなることを推測している)ことから,ジベレリン生合成酵素遺伝子の発現量解析を行った.長日条件3週間後,長日条件および短日条件下で3週間栽培すると,長日条件区では球根が形成されなかったのに対し,短日条件区では,短日2週間後から球根が形成された.また,GA20ox-1(ジベレリン生合成酵素遺伝子)の発現量は,長日条件区に比べ,短日条件区で短日条件1週間後からわずかに低かったが,GA20ox-2(ジベレリン生合成酵素遺伝子)では,処理区における違いが認められなかった.GA3ox(ジベレリン生合成酵素遺伝子)では,長日条件区で発現量が高かったが,短日条件区では,短日処理開始3週間後から発現量が低くなった.このことから,食用ハスの球根形成には,ジベレリンが関与している可能性が高いことが示された.
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