本研究の全体構想は、明治・大正・昭和戦前期(1868~1945)に築造された「近代庭園」について、その様式形成過程と空間デザインの特徴をとりまとめ、系統的な通史、すなわち、「近代庭園史」として全体像を整理することである。近代庭園の様式には、1.洋風庭園、2.和風庭園、3.近代主義(国際様式)庭園、の大きく3タイプをあげることができる。 本研究の全体計画は、これら3つの庭園様式の形成に関して、庭園の欧化という意味での「近代性」が明快にみてとれる「洋風庭園」を研究対象として、明治維新後における西洋庭園のわが国への導入から、洋風庭園として様式を確立するに至るまでの経緯と過程、および洋風庭園の構成・意匠の時代的変遷に着目した空間デザインの特徴を明らかにしてゆくものである。
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