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2009 年度 実績報告書

昆虫細胞は放射線耐性と言えるか?

研究課題

研究課題/領域番号 20780037
研究機関信州大学

研究代表者

深本 花菜  信州大学, 繊維学部, 特任助教 (40435607)

キーワード重イオンビーム / 放射線耐性 / カイコ / Sf9細胞
研究概要

重イオン照射造血器官の再生過程の第1ステップは造血器官の崩壊であるが、その過程は放射線耐性のカイコ細胞では不明な点が多い。細胞死を指標とするとカイコ造血器官の血球前駆細胞は比較的放射線に感受性で線量100Gyの照射でほぼ全ての細胞が致死する。一方、例えばカイコ幼虫の真皮細胞やSf9細胞は炭素イオンを400Gy照射しても顕著な細胞死は認められない。すなわち重イオン照射への血球前駆細胞の応答は真皮細胞やSf9細胞と異なる可能性がある。まず照射後の増殖をBrdUの取り込みを指標に調査した結果、線量100Gy照射区はBrdUラベルされた細胞数は顕著に低下したものの、10または1Gy照射区では非照射区と同様に多くの細胞でBrdUの取り込みを認めた。次に照射後、器官内の細胞数を1日毎に数え増殖を調査した。その結果、100Gy照射区では照射後、細胞増殖が停止したのに対し、10および1Gy照射区では細胞数が非照射区とほぼ同様に増加することが明らかにした。最後に昆虫細胞の放射線障害の修復能を調査すべく、カイコの受精直後の卵に重イオン照射を行い、その後の分裂核の移動を調べた。結果、100Gy照射区では全ての卵が発生せず致死すること、10および1Gy照射区の卵は1-2時間程度の発生遅延とともに分裂異常の核が観察されることを明らかにした。これらの結果から、10または1Gy照射区の血球前駆細胞も修復が不完全なまま、短期間に放射線障害の修復過程を終了し、再び増殖を開始している可能性を示した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Targeted heavy-ion microbeam irradiation of the embryo but not yolk in the diapause-terminated egg of the silkworm, Bombyx mori, induces the somatic mutation.2009

    • 著者名/発表者名
      T.Furusawa
    • 雑誌名

      Journal of Radiation Research 50

      ページ: 371-375

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effects of Ionizing Radiation on Locomotory Behavior andMechanosensation in Caenorhabditis elegans.2009

    • 著者名/発表者名
      M.Suzuki
    • 雑誌名

      Journal of Radiation Research 50

      ページ: 161-169

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Insufficient membrane fusion in dysferlin-deficient muscle fibers after heavy-ion irradiation.2009

    • 著者名/発表者名
      M.Hino
    • 雑誌名

      Cell Structure and Function 34

      ページ: 11-15

    • 査読あり
  • [学会発表] 重イオンビーム照射カイコ造血器官の崩壊・再生機構の解明-低線量照射における影響-2009

    • 著者名/発表者名
      小林智史・深本花菜・白井孝治・木口憲爾・舟山知夫・坂下哲哉・小林泰彦
    • 学会等名
      日本蚕糸学会中部支部第65回・東海支部第57回合同研究発表会
    • 発表場所
      名古屋大学野依記念学術交流会館
    • 年月日
      20091203-20091204

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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