研究課題
本研究では、光合成機能と窒素のリサイクル機構の両面から植物の生長に深く関わる「老化葉におけるCO_2固定酵素、Rubiscoの分解機構」について分子レベルで明らかにすることを目的とし、特に分子遺伝学解析に焦点を絞り、その中核となる変異体の選抜とそれらの原因遺伝子の同定を行った。本年度の成果は以下の通りである。(1)ストロミュール形成変異体の選抜昨年度、計20000個体のM2植物のスクリーニングから得られた、ストロミュールがほとんど見られない1系統(計4アリル)と形成が促進される1系統(1アリル)について変異遺伝子の同定を行った。ストロミュールがほとんど見られない1系統では糖代謝に関わる遺伝子の1つに変異が見つかった。またストロミュールの形成が促進される変異体では第3染色体にある機能未知の遺伝子に変異が見つかった。この遺伝子のゲノム領域をクローニングし変異体に導入することにより相補試験を行うとともに、遺伝子産物の細胞内局在性を明らかにするためにGFP融合タンパク質を発現する形質転換体の作出を進めた。(2)Rubisco分解抑制変異体の選抜老化時にRubisco量が減少しない変異体の選抜法を確立し、当該変異体数個体を得た。親株と異なるエコタイプとの交配を順次進めていたが、原因遺伝子の特定までには至らなかった。以上、本研究では今後Rubiscoの分解機構の研究を進める上で重要なツールが整備できたと言える。
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