研究課題
PCB分解菌Rhodococcus jostii RHA1おいて、PCB分解遺伝子群のビフェニルによる転写活性化がPCB分解代謝産物である安息香酸(以下BA)存在下で抑制される現象について、その転写制御機構を明らかにすることを目的として研究をおこなった。転写活性化抑制の原因物質については、benA、benD破壊株では転写活性化の抑制が解除されたことから、BenD代謝産物以降の物質が抑制に関与していることが強く示唆された。catB破壊株では抑制されたことから、BenDとCatBの間のカテコール、またはcis,cis-ムコン酸が原因物質であることが考えられたが、カテコールを貯めるcatA破壊株ではビフェニルのみを加えた場合でも強い転写の抑制が観察された。この結果から、転写抑制に関与するのはカテコールであると考えられる。PCB分解遺伝子とは異なる遺伝子のプロモーターを用いた実験では転写の抑制は観察されなかったので、このカテコールによる転写活性化抑制現象はPCB分解遺伝子群特異的な現象である。また、昨年度までに作製したcrc遺伝子破壊株の生育における炭素源の要求性を調べたところ、野生株であるRHA1株との違いは観察されなかった。crc遺伝子は炭素源の要求には直接関与せず、その切り替え時に働く可能性があるため、さらなる調査が必要である。
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Journal of Bacteriology
巻: 192 ページ: 4741-4751
J Mol Microbiol Biotechnol.
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