研究概要 |
アーキアに特異的に見いだされるアーキオシンの生合成には、5つの遺伝子(queC, queD, queE, tgt, arcX)が必要であると考えられている。そのうちの3つの遺伝子(queC, queD, queE)を取得するためのプライマーを作製し遺伝子断片を増幅後、発現用プラスミドに組み込んだ(残り2遺伝子については既に取得済み)。シークエンスにより正しく組み込まれていることを確認した。誘導剤(IPTG)濃度などを検討することにより、大腸菌内でのタンパク質大量発現の最適条件を決定する予定である。すべてのアーキオシン生合成遺伝子について破壊用プラスミドを構築した。それぞれのプラスミドをThermococcus kodakaraensis細胞内へ導入し相同組換えにより標的遺伝子破壊株の構築を試みた。それぞれのアーキオシン生合成遺伝子破壊候補株から染色体DNAを抽出しPCR法により標的遺伝子が破壊されたかどうか確認したところ、queC破壊株6株、queD破壊株11株、queE破壊株10株、tgtt破壊株21株、arcX破壊株4株を取得できた。これらの破壊株について、さらにサザン解析を行うことで標的遺伝子が破壊されたことを再確認したい。アーキオシン生合成の最終ステップを触媒するArcXの酵素活性を確認するためには、preQo塩基がtRNAの15番目に組み込まれた基質が必要である。T7プロモーターの支配下にT. kodakaraensis由来tRNA^<Val>遺伝子を連結したプラスミドを構築した。このプラスミドを鋳型にtRNA^<Val>をin vitro合成し、さらにpreQo存在下でTGTを作用させることでArcXの基質を合成する予定である.
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