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2008 年度 実績報告書

比較トランスクリプトミクスを利用したザゼンソウ低温応答遺伝子群の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20780070
研究機関岩手大学

研究代表者

稲葉 靖子  岩手大学, 農学部, 研究員 (80400191)

キーワード発熱植物 / ザゼンソウ / 低温応答 / トランスクリプトミクス / Super SAGE
研究概要

寒冷地に自生するザゼンソウは、開花後1-2週間にわたり生殖器官である肉穂花序で発熱することが知られている。多くの植物において見出されている凍結耐性誘導型の低温ストレス回避機構とは異なり、ザゼンソウは発熱することにより低温ストレスを回避していると考えられている。本研究では、ザゼンソウの低温応答遺伝子群を同定して、モデル植物シロイヌナズナ等ですでに報告されている低温応答遺伝子群との比較解析を行うことにより、両者の共通点および相違点を探ることを目的としている。
当該年度はまず、ザゼンソウの低温応答遺伝子群を明らかとするために、ザゼンソウ肉穂花序ESTライブラリーを構築して、効果的かつ汎用的な遺伝子発現解析手法であるSuper SAGE法と組み合わせて解析を行った。発熱ステージおよび発熱ステージ前後の各肉穂花序mRNAから、SuperSAGE法での解析に必要な26bpタグを調製して、各タグの塩基配列を454シーケンサーにより解析した。発現パターンごとにSuper SAGEタグのクラスタリングを行って、発熱ステージ特異的に発現する約900個のタグを見出した。続いて、発熱ステージにある肉穂花序mRNAからESTライブラリーを構築してSuper SAGEタグとのマッチングを行ったところ、発熱ステージ特異的に発現する約150の独立した遺伝子配列を得ることに成功した。得られた遺伝子配列についてBlastnプログラム利用した相同性検索を行ったところ、ミトコンドリア呼吸に関連した遺伝子に加えて、数多くの興味深い遺伝子が見出された。現在、低温誘導前後の肉穂花序mRNAから同様の方法でSuper SAGEタグを調製して、詳細な解析を行っている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Molecular Identity of Uncoupling Proteins in Thermogenic Skunk Cabbage2008

    • 著者名/発表者名
      稲葉靖子
    • 雑誌名

      Plant and Cell Physiology 49

      ページ: 1911-1916

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 熱産生における脱共役タンパク質の役割と適応進化2008

    • 著者名/発表者名
      稲葉靖子
    • 雑誌名

      化学と生物 46(招聘論文)

      ページ: 841-849

  • [学会発表] Super SAGE法を利用したザゼンソウ熱産生関連遺伝子の探索2009

    • 著者名/発表者名
      飛田耶馬人(代表者 : 稲葉靖子)
    • 学会等名
      日本農芸化学会
    • 発表場所
      福岡・福岡国際会議場
    • 年月日
      2009-03-29
  • [学会発表] ザゼンソウの発熱ステージ移行にともなう生殖器官の発達とオルガネラダイナミクス2009

    • 著者名/発表者名
      稲葉靖子
    • 学会等名
      日本植物生理学会
    • 発表場所
      名古屋・名古屋大学
    • 年月日
      2009-03-21
  • [図書] 温度と生命システムの相関学(岩手大学21世紀COEプログラム事業編)2009

    • 著者名/発表者名
      稲葉靖子
    • 出版者
      東海大学出版会(掲載確定)
  • [備考]

    • URL

      http://news7al.atm.iwate-u.ac.jp/zazensou/nedo/itoinaba.html

  • [備考]

    • URL

      http://news7al.atm.iwate-u.ac.jp/zazensou/nedo/

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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