酵母Hansenula polymorphaよりモリブデン吸収能が低下した変異株を選抜し、酵母のモリブデン輸送システムの概略を明らかにした。具体的には、野生株と昨年度までに得ていた候補変異株(タングステン耐性55株、硝酸同化欠損47株)のモリブデン吸収能力をを培養し、培地のモリブデン酸濃度を、新開発のモリブデン酸測定用蛍光分子プローブMolyProbeを用いて経時的に測定した。その結果、変異株をモリブデン吸収パターンの異なる複数のグループに分類することに成功した。結果より酵母は高親和性型、高速型、誘導型など複数のモリブデン輸送体やこれらを制御するシステムを持つと推察した。
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