研究概要 |
Pseudomonas putida NBRC100650のdpkA(PP3591)遺伝子をpET21a(+)に組み込んで作製したpDpkAを鋳型にしたエラープローンPCR法によりdpkA遺伝子へのランダム変異導入を試みた。エラープローンPCRはMd. Iqubal Hassan Khanらの方法(Biosci.Biotechnol. Biochem. 69(10), p.1861-70, 2005)を元にして1クローンあたり1~2カ所程度の塩基置換が起こる条件に最適化した。ランダム変異を導入したdpkA遺伝子をpUC18に組み込んだプラスミドでEscherichia coli JM109を形質転換し、IPTGを含むLB培地を用いて形質転換体を培養して変異酵素の発現を誘導した。リゾチームを含む溶菌用緩衝液に、培養した変異酵素発現株を懸濁し、37℃で一定時間保持して粗酵素液を調製した。40,45,50℃の各温度で粗酵素液を30分間熱処理した後の残存活性をマイクロプレートリーダーで測定した。この方法により、これまでに735種類の変異型酵素を取得し、それぞれの変異型酵素の耐熱性について検討した。粗酵素液を用いた実験の結果、735種類のうち1種類の変異型酵素が野生型酵素に比べて耐熱性が向上していることが認められた。現在、引き続きエラープローンPCR法によるランダム変異導入により変異型酵素ライブラリーを作製し、耐熱性が向上した変異型酵素のスクリーニングを行っている。今後は得られた耐熱化酵素を精製し、反応速度論的手法により機能解析を行う予定である。
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