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2008 年度 実績報告書

孔形成タンパク質の超分子構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 20780077
研究機関長崎大学

研究代表者

郷田 秀一郎  長崎大学, 工学部, 准教授 (00346587)

キーワードタシパク質 / 構造変化 / レクチン / 溶血性 / X線小角散乱
研究概要

海産無脊椎動物グミ由来溶血性レクチンCEL-IIIはヒトやマウスの赤血球を認識し、膜貫通孔を形成することによって、溶血させる。その機構は、まず始めに赤血球表面に存在する糖鎖を認識して結合し、その後、多量体化することによって孔を形成していると考えられている。単量体での立体構造はすでに解明されているが、多量体化状態での立体構造、多量体化の機構は不明である。代表者らはin vitroでの多量体化条件を見出しており、その機構の解明のため同条件でのCEL-IIIの立体構造をX線小角散乱法によって解析した。面In vitroでの多量体化は高塩濃度、高pH、カルシウム及び糖の存在下で起こる。そこで、高塩濃度、高pHの溶液を作成し、それぞれにカルシウムもしくは糖を加え、測定を行った。その結果、高塩濃度、高pHで、カルシウムもしくは糖存在下では、Kratkyプロットが典型的な立体構造を保持していない時の曲線を示し、大きな立体構造の崩壊が起きていることが示された。同条件下で、円偏光二色性の測定を行ったところ、二次構造には大きな変化見られず、二次構造は保持しているものと思われた。カルシウム及び糖の両方が存在していると、多量体化し、およそ24量体を形成していた。これらのことは、CEL-IIIの多量体化は大きな3次構造の崩壊の後に、糖及びカルシウムを認識して多量体構造を形成していると示唆された。このような立体構造を保持せずに基質を認識し、構造形成することは天然変性タンパク質の特徴に良く似ており、その構造形成機構に密接な関係があるのではないかと考えられた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 大腸菌体内で不活性型遺伝子組換え酵素として生産される好熱菌由来のグルタミン酸脱水素酵素の活性化とそれに伴う構造変化2008

    • 著者名/発表者名
      郷田秀一郎
    • 雑誌名

      ビタミン 82

      ページ: 337-343

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Roles of the Valine Clusters in Domain 3 of the Hemolytic Lectin CEL-III in Its OlizomerizatiOn and Hemolytic Abilities

    • 著者名/発表者名
      K. Hisamatsu
    • 雑誌名

      Protein and Peptide Letters (印刷中)(掲載確定)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effects of Ca2+ on Refolding of the Recombinant Hemolytic Lectin CEL-III

    • 著者名/発表者名
      K. Hisamatsu
    • 雑誌名

      Biosci Biotechnol Biochem (印刷中)(掲載確定)

    • 査読あり
  • [学会発表] 海鼠(グミ)由来溶血性レクチンCEL-IIIの多量化機構のX線小角散乱による解析2008

    • 著者名/発表者名
      貞方仁
    • 学会等名
      日本生物物理学会年会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2008-12-04
  • [学会発表] グミ由来CEL-III膜貫通型複合体のX線結晶構造解析2008

    • 著者名/発表者名
      松本尚樹
    • 学会等名
      日本農芸化学会西日本支部大会
    • 発表場所
      長崎大学
    • 年月日
      2008-09-20
  • [学会発表] 溶血性レクチンCEL-III会合ドメインの部位特異的変異体作製とその性質2008

    • 著者名/発表者名
      久松啓伍
    • 学会等名
      日本農芸化学会西日本支部大会
    • 発表場所
      長崎大学
    • 年月日
      2008-09-20

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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