海産無脊椎動物グミ由来溶血性レクチンの孔形成多量体構造の解明のため、X線小角散乱及び円偏光二色性測定を行った。人工的な溶液条件下でCEL-IIIは約25量体を形成していたが、界面活性剤を加えると6量体に解離し、それが孔形成時の最小単位であることが示唆された。多量体化に必要な条件のうち、糖もしくはCa2+非存在下ではKratkyプロットよりCEL-IIIの立体構造は大きく変化していたものの、円偏光二色性スペクトルの遠紫外部では大きな違いは見られず、多量体化において二次構造には大きな変化がないことが示唆された。
|