本研究では炎症性疾患に対するビタミンD受容体(VDR)の高次機能の解明を目指し研究を行った。VDR遺伝子欠損(KO)マウス、VDRのリガンド生合成の鍵酵素のKO(Cyp27b1KO)マウスおよび野生型マウスに炎症性腸疾患を発症させると、VDRKOマウスおよびCyp27b1KOマウスは野生型と比較し、より顕著な異常を示した。しかしながらVDRKOマウスとCyp27b1KOマウスでは両者の表現型に差がなかったため、炎症性腸疾患に対しては、リガンド依存的なVDRの機能が重要であり、症状を抑制する効果があることが示唆された。
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